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「推理？」
「もう会えないなんて辛い、どうして私じゃだめだったんだろう、好きだけど浮気は許せない、ってとこまで聞いて失恋かー、という」
「私は一番最初に喪失の悲しさと好きな人を失った絶望みたいなのを感じて、その後にもう会えないなんてって聞こえる感じ」
「俺らやっぱ種類違うよな？」
櫻井さんがへー！って面白そうに言った。
「じゃあAはやっぱり一々その人の心にシンクロしてるんだ」
「……」
「え、待って、じゃあ、その気になればそいつの気持ちになって世界が見えるってこと？」
「……試したことないけど、そうかも」
「お前マジで気をつけろよ、自分の性格どれかわかんなくならねーの？あんまり他の奴とシンクロしないほうがいいんじゃない？」
櫻井さんの言葉に頭を殴られたような気がした。
確かにそうだ。
「気をつける……」
「俺も気をつけるよ、様子が変だなと思ったら勝手に心の声読みますので悪しからず」
「……お願いします」
「え、素直！お願いしますなの？勝手に読むな！じゃないんだ！」
櫻井さんが楽しそうに笑った。
櫻井さんの明るさには救われる。
皆もそう。
明るいからこんな妙な事件ばかりでも陰鬱としないんだよね。
櫻井さんが笑いすぎてコップのお茶を少し溢しそうになってあぶねー！とか言ってるのを見てどうしても笑いがこみ上げた。
「ん？どうした？何笑ってんの？」
「ううん、なんにもない。眠ーい」
眠い、と言ったらあくびが出た。
顔を洗いたい。
眠気覚ましたい。
「ね、櫻井さん」
「ん？」
「ちょっと顔洗ってきていい？」
「え……すぐ帰ってきてね……」
櫻井さんの悲しそうな顔にまた吹き出した。
「はい！すぐ戻ります」
立ち上がって洗面所に向かう。
鏡を見て、あぁ、なんてこった、すっぴんだよ私。と我にかえる。
この顔で櫻井さんと話してたのか。
櫻井さんはいいなぁ、すっぴんでもあんなに可愛くて。
顔を洗って、なんとなくまた歯磨きもして、お手洗いに行ってから部屋に戻る。
扉を開けた瞬間、櫻井さんが目の前にいてぎょっとした。
「え？」
櫻井さんが誰かから私を背中で隠すようにして、首をねじって振り返った。
「……いる」
「え？」
部屋を見渡す。誰もいない。
……のに。
スッスッ、と畳を擦るような音。
右から、左へ。
ミシリ。
床を踏むような音がした。
こっちに来る。
何かがこっちに来る。
「誰かいるの？」
堪らず声を出した。
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にのきょん(プロフ) - 終わるのが悲しすぎるくらいにこのお話大好きです。10回以上は読んでるので最近櫻井くん達と一緒に謎解きしちゃってます笑笑 (2020年3月3日 14時) (
レス) id: 2efb088670 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - よしのさんのお話はドラマ化して欲しい…頭ン中では勝手にドラマ化してますけど実写で見たいです。 (2020年3月3日 7時) (レス) id: aab6d8833f (このIDを非表示/違反報告)
まどか(プロフ) - 待ってましたぁぁ！！主人公と櫻井さんの、このもどかしい関係がたまらず夜も眠れません。徐々に核心に迫っていくストーリーにもワクワクが止まりません。最高です大好きです！！次の更新も楽しみに待っております…！！ (2020年3月3日 4時) (レス) id: 5cdf0b4209 (このIDを非表示/違反報告)
みみ(プロフ) - 結末が気になりすぎちゃうので、よしのさんのお話は完結してから読むようにしています。読むのとても楽しみです(^^)無理せずに更新してくださいね！ (2020年3月2日 21時) (レス) id: df1a3da33b (このIDを非表示/違反報告)
リノ(プロフ) - ドキドキしましたァー！更新嬉しいです！ありがとうございます！これからも無理せず、けれども遅くなりすぎずにお願いします！ (2020年3月2日 17時) (レス) id: d31a60eebe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2019年11月6日 8時
