気(12/17) ページ22
「……」
「……」
また妙な沈黙。
何となく背を向けて座る自分に苦笑する。
ふと、さっきの言葉が頭に蘇ってきた。
……お前も言われた？って言ってた。
お前も、ってことは。
「櫻井さん、相葉さんにピンク色のこと言われたの？」
沈黙に耐えかねたのか、スマホを見ていた櫻井さんがパッと目を上げた。
「えっ、何か聞いた？」
「……何かって……？」
……さっきの相葉さんの話は、友情の色のピンクと、私の松本さんへの想いのピンク色の話とあとは……
「……」
櫻井さんが私をじっと見てる。
読まれてる？
慌ててシャットアウトした。
「あ」
「読んだ？」
「……ごめん」
「……」
「相葉くんは本人が気づいてない感情も見えてたりすんのかな？その世界画像で見てみたい」
「そうだね……」
「……ところで、ほんとにAがいると昨日の奴来ないな」
櫻井さんが話題を変えようとしたのか、そう言い出した。
「私、一度もその生霊か霊がわかんないけど感じたことないから実感が湧かないというか……」
「なぁ？……Aは以前から何度か生霊も霊も会ったことがある、ってことになるよな？」
「うん」
「じゃあ、今回の霊はやっぱりAを避けてるのかもしれない」
櫻井さんと見つめ合った。
そうだよ。
その理由を考えるべきなんだ。
だって私は大野さんのような門ではないのだから。
今までと違う部分は、今回は二宮さんの式がついてることと、私にはお腹の中に黒いもの、二宮さん命名お腹の虫がいること……で……
「もしかして……」
「うん」
私の考えが聞こえたんだろう、櫻井さんが頷いた。
「その腹の虫のせい、の可能性もあるのか」
「……櫻井さん、何か聞こえる？私には中の虫の声は聞こえないの。中の虫はなんて言ってるの？」
「怖がらないで聞いてほしいんだけど……裏切ったな……殺してやる……って男の声がしてる……」
「じゃあ、昨日この部屋でウロウロしていた霊は私の中の黒い虫を避けてるの？」
「……」
「それとも……昨日ウロウロしていた霊は……私の中のものと同じもので……私がここにいるから……結局ここにいることになるんじゃ……」
櫻井さんが困ったように首を振った。
「これは俺の勘なんだけどさ。お前の飼ってる黒い虫と昨日の奴と違う気がする」
「……どうして？」
「勘、としかいいようがないんだけど」
「……」
「説明できないんだけど……」
櫻井さんが困ったように何度も首を傾げた。
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にのきょん(プロフ) - 終わるのが悲しすぎるくらいにこのお話大好きです。10回以上は読んでるので最近櫻井くん達と一緒に謎解きしちゃってます笑笑 (2020年3月3日 14時) (
レス) id: 2efb088670 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - よしのさんのお話はドラマ化して欲しい…頭ン中では勝手にドラマ化してますけど実写で見たいです。 (2020年3月3日 7時) (レス) id: aab6d8833f (このIDを非表示/違反報告)
まどか(プロフ) - 待ってましたぁぁ！！主人公と櫻井さんの、このもどかしい関係がたまらず夜も眠れません。徐々に核心に迫っていくストーリーにもワクワクが止まりません。最高です大好きです！！次の更新も楽しみに待っております…！！ (2020年3月3日 4時) (レス) id: 5cdf0b4209 (このIDを非表示/違反報告)
みみ(プロフ) - 結末が気になりすぎちゃうので、よしのさんのお話は完結してから読むようにしています。読むのとても楽しみです(^^)無理せずに更新してくださいね！ (2020年3月2日 21時) (レス) id: df1a3da33b (このIDを非表示/違反報告)
リノ(プロフ) - ドキドキしましたァー！更新嬉しいです！ありがとうございます！これからも無理せず、けれども遅くなりすぎずにお願いします！ (2020年3月2日 17時) (レス) id: d31a60eebe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2019年11月6日 8時
