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「人は鏡だよね……」
「うん」
「お前のこと嫌いって思ってる人を好きにはなれないのと同じだよね」
「そう！そうなの！」
「それが見えない聞こえない人ってある意味幸せだよね。だってこの世は圧倒的に自分のことが一番好きな人が多いんだから」
相葉さんの寂しそうな横顔を見て胸が痛くなった。
「相葉さんはいつから見えてたの？その光」
「えっとね、他の人は見えないんだ！って気づいたのが中学生になる少し前」
「先天性……？」
「そうなんだろうね、自覚してからかな、はっきりわかるようになった。でも俺はその色がどんな感情かわかんないまま見てたから」
「あ、なるほど……」
松本さんが少し寝返りを打った。
すう、すう、と規則正しい呼吸をみて、相葉さんが肩にそっと誰も使っていないバスローブをかけてあげた。
真夏だとは言え、エアコンもついてるし。
「潤ちゃん寒がりだからね、部屋の温度ちょっと上げてもいい？」
「うん」
相葉さんがエアコンの設定温度を変えた。
「京都は暑いね」
相葉さんが微笑んでそう言った。
「冬も寒いんだよね、確か」
「そうなんだ」
あはは、って明るく笑う相葉さんをみて、少し胸が痛くなった。
「家族に見える人いるの？」
「じいちゃんは見えたって」
「……隔世遺伝」
「弟も小さい頃は見えたけど小学生あたりから見えなくなったって」
「……」
「動物はいいよね、裏表がないから」
相葉さんがぼーっと何かを思い出すような顔をした。
「裏表に苦しんだりした？」
「うん、人の感情がわかる人の運命じゃない？」
「うん。皆自分だけがよければいいからね」
「自分が一番好きなのは悪いことじゃないんだけどね」
「でも保身のために嘘ついたり誤魔化したり人を馬鹿にしたり自分が嫌われないために陰で誰かをスケープゴートにして陥れたり」
「……」
「誰かより自分が上に立つことで自分が偉くなったと錯覚したり、上に媚びへつらって下を見下して自分の立場は自分の価値だと勘違い」
「……はは」
「Aは男勝りでカッコイイでしょ！逮捕されちゃうよ？とか私を褒めるふりしてこの子怖いよ？私にしとけば？って牽制される合コン」
「Aちゃん？」
相葉さんがくすくす笑ってる。
「皆自分さえよかったらいいのよ！この世って腐ってる、私も自分勝手に生きてやろうかしら……と、思ってた」
「ん？」
「でもそうじゃない人もいた」
「……会えた？」
「うん。零課に来てよかった」
相葉さんが微笑む。
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にのきょん(プロフ) - 終わるのが悲しすぎるくらいにこのお話大好きです。10回以上は読んでるので最近櫻井くん達と一緒に謎解きしちゃってます笑笑 (2020年3月3日 14時) (
レス) id: 2efb088670 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - よしのさんのお話はドラマ化して欲しい…頭ン中では勝手にドラマ化してますけど実写で見たいです。 (2020年3月3日 7時) (レス) id: aab6d8833f (このIDを非表示/違反報告)
まどか(プロフ) - 待ってましたぁぁ！！主人公と櫻井さんの、このもどかしい関係がたまらず夜も眠れません。徐々に核心に迫っていくストーリーにもワクワクが止まりません。最高です大好きです！！次の更新も楽しみに待っております…！！ (2020年3月3日 4時) (レス) id: 5cdf0b4209 (このIDを非表示/違反報告)
みみ(プロフ) - 結末が気になりすぎちゃうので、よしのさんのお話は完結してから読むようにしています。読むのとても楽しみです(^^)無理せずに更新してくださいね！ (2020年3月2日 21時) (レス) id: df1a3da33b (このIDを非表示/違反報告)
リノ(プロフ) - ドキドキしましたァー！更新嬉しいです！ありがとうございます！これからも無理せず、けれども遅くなりすぎずにお願いします！ (2020年3月2日 17時) (レス) id: d31a60eebe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2019年11月6日 8時
