咎人マリオネット３[S] (ページ19)

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お昼ご飯。

櫻井くんを松本くんに取られた。
大野くんと三人、めちゃくちゃ気が合ってる。
楽しそうだ。
一緒にご飯って言ったくせに。

「ねぇA」
「ん？」
しぃちゃんが小声で聞いてきた。

「さっきはごめん」
「なにが？」
「サッカー部の好きな人のこと。櫻井くんと付き合うことになったらしいよって聞いて、もしかして上手く行ったのかなって思っちゃって」
「そりゃそう思うよね、その話してるときまだしぃちゃん来てなかったもんね」
「うん」
「実は櫻井くん、お姉ちゃんのことがまだ諦められなくて……私お姉ちゃんの代わりなんだよ」
「え……最悪……」
「でもね、私はおばあちゃんのことでちょっと参ってて」
「うん」
「ひとまず、寂しいというか……しんどい者同士、一緒にいようってことになったんだけど……」
「……なにそれ」
ねねちゃんとしぃちゃんが絶句した。

「やっぱりもういい、って言おうとしたら、もうAと付き合うってお姉ちゃんとか告白してきた人に言っちゃったみたいで」
「……ねぇ、変じゃない？」
「なにが？」
「諦められないならAと付き合うこと紫織さんに黙ってる方がよくない？」

しぃちゃんがそう言った。
「……」
「妹の彼氏って恋愛対象外にならない？私はなるよ。後のこと考えたら黙ってる方がいいんじゃないの？」
「……どんな形でも傍にいたいって言ってた……私と一緒にいれば姉弟になれるじゃない？」

「義理の姉弟になってでも傍にいたいってこと？変態なの？」
ねねちゃんが毒を吐いた。

「頭おかしい」
「そうだね」

「A！やっぱ今日無理になった！」
櫻井くんが突然大きい声で言ってきた。

「いやだから！私今日バレエだから無理だって言ったよ！」
「ごめんー！金曜埋め合わせする！」
「飽くまでも主導権握るつもりね櫻井くん」
「9時半にうち来いよ！」
「金曜も9時半までバレエだよ！」

私の言葉を無視して今日何時までに行ったらいい？って櫻井くんが松本くんに聞いてる。約束したのかな？楽しそう。

「もー……」
「なんか……二宮くんと一緒の時みたいだね」

ねねちゃんがまたそう言った。

「二宮くん」
「ほんとは好き同士だったんだよね？」
「違うよー」
「でも学校中で噂になってたじゃん、可愛い恋人同士って」

「うん。授業中目配せしたり笑いあったりすぐ目を合わせてたでしょ？間に座る櫻井くん居づらそうだった！」

しぃちゃんが苦笑して、そう言った。