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二人で並んでラーメンを食べた。
鼻水でちゃう、って言ったら、うるせーって言われた。
恋人ごっこ？
帰り道、手を繋いで歩いた。
嬉しくてちょっと悲しい。
「櫻井くん」
「ん？」
「なんにもない！」
「変なやつ」
「翔くんって呼ぶ？」
「好きにすれば？」
「じゃあ、櫻井くんにする！」
「え、そっち！」
なんだか楽しい。
二宮くんといるときみたい。
家まであっという間だった。
あと少しで家が見える。名残惜しい。
「A」
櫻井くんが私の指と、指を絡めた。
ぞわっと背中に電流が走る。
「え、なに？」
「明日どうする？俺んち来る？」
「……えっ、毎日会うの？」
私の言葉に、はっ？って顔をした。
「あれ？ちょっとまって？櫻井くん？」
「なに」
「櫻井くんはおばあちゃんの代わりになってくれるんだよね？」
「お前は紫織の代わりになるんだろ」
「……うん、でも私、おばあちゃんとは毎日あってなかったよ！」
「俺は毎日会いたい」
「お姉ちゃんと？バイト先で毎日会ってんでしょ？」
「いやいやだからちげーだろ」
「なにが」
「俺は彼女とは毎日会いたいっつってんの！」
「ああ、なるほど！お姉ちゃんと付き合ったら、毎日会いたいってこと？」
「……」
「お姉ちゃん彼氏と毎日会わないと思うけどなぁ、そういうタイプじゃないよね？」
「え、そんなリアリティ感出してくる？」
「それじゃあ何？服でも借りて来ようか？どこまで演じればいいの」
「はぁ？」
「どこまでなりきればいいの」
「……はぁ……」
櫻井くんが道の真ん中で脱力して座り込んだ。
「……」
「……いい」
「なにが！」
「そのままでいい……」
「……」
「無理しなくていい、普通でいい」
「じゃあ、明日はバレエ行く」
「何時まで？」
「10時半くらいかな」
「おっそ！」
「普通だよ」
櫻井くんがなんか怒ってる。
「明後日は？」
「明後日もバレエだもん」
「じゃあ、明々後日、土曜は」
「映画行こうと思ってた」
「言ってたな、おばあちゃんとだろ」
「うん。仕方ないから一人で行こうかな」
「……一人！」
櫻井くんが吠えた。
びくっとした。
「俺誘えよ、ばあちゃんの代わりだろ！」
「そうでした」
「金曜から泊まりに来たら」
「……」
「……いや、別にそういうつもりじゃ」
「……」
「土曜に待ち合わせますか……」
「……櫻井くんち行く」
「朝来る？」
「金曜から行く」
櫻井くんがやっと立ち上がった。
「明日昼一緒に食お」
あれ？なんだか。
幸せ。
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2019年1月14日 14時
