見た目の問題 ページ9
「櫻井先輩とお呼びしたらいいんですかね？」
「はぁ？何お前、生意気」
チッ、と舌打ちされた！
「……」
翔くんが近づいてきた！
怖い！
すっごい怖い！
近づいて来る歩き方からもう威圧感。
目の前まで来てすんごい睨まれた。
すっごいイケメン。
そんな場面じゃないけどイケメン。
「オイ」
「ハイ」
「斗真のこと馬鹿にすんなよな」
「翔くんストーップ！」
そう言いながら斗真が私の前に立ち塞がった。
「俺の片想いの子いじめちゃダメー！」
ひいいいい！
斗真が首だけ振り返って、バチン！とウインクしてきた！
「はぁ？！」
「ね？」
背中を思いっきり叩いてやった。
「イッテ！」
「馬鹿！馬鹿馬鹿！翔くん、……じゃなくて！櫻井先輩！の前で馬鹿ーーー！」
「なんだよお前翔くん好きなの？あ、そういや昔好きだった！」
あんぐり。
そのまま後ろにぶっ倒れたい。
「いつの話してるのよ！」
「好き？まだ好きなのぉ？」
斗真が口尖らせて眉を下げて私の顔を覗き込んで来た。櫻井先輩をチラッと見たら、すっっごい、睨まれてる！
「もう好きじゃなくなった！チャラい！」
「あはは！」
「オイ」
ひゃああ！櫻井先輩が宙を蹴った！
「お前俺の何を知ってるってんだよ！」
「……」
「何コイツ、ふざけやがって、見た目だけで判断するな」
「その見た目をチャラくする、という……目立ちたい、という性質が……あわわ」
こ、ころされる！
睨み殺される！
「翔くん、ごめん」
斗真が私の肩をふわっと抱いた。
斗真は小さい頃からこんな風にさりげなくスキンシップをとるし、距離感が近い。
ちょっと距離をとる。
「Aまた明日ね」
斗真が頭をパコンと叩いた。
「うん」
玄関が閉じる前、斗真が櫻井先輩に『俺のA可愛いでしょ？』って言った。
「趣味悪……」
がちゃ、と扉が閉まった。
趣味悪？
私の、小学生時代の仄かな恋心がガラガラと音を立てて崩れていった。
『Aちゃん、一人で帰ったら危ないって先生言ってただろ？待っててやるから一緒にかえろーぜ？な、斗真』
不審者情報があった日の下校のとき。
忘れ物を一人で取りに戻る私に翔くんがそう言ってくれた。
私の知ってる翔くんは、もういない。
あれは、斗真の親友の、櫻井先輩だ。
もう、知らない人だ。
親友なんだからホントのこと言えばいいのに斗真。
斗真は、親友にも言えないことを、私にいった。
大きなため息が出た。
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すりおろし梨。(プロフ) - なぜか 思い立って読み返してます。 ドS櫻井と不器用娘(笑)最高！（≧∇≦） ややこしくて 最高！(笑) (2018年12月9日 11時) (
レス) id: b0f0c1d0a8 (このIDを非表示/違反報告)
コズ(プロフ) - 朝から幸せを噛み締めてます！更新嬉しい！移行更に嬉しい！長めになりそうだなんて…よしのさん朝からヨダレ出そうになりました♪移行先に行こう♪←5点by深山くん (2018年2月20日 6時) (レス) id: 655436c39b (このIDを非表示/違反報告)
コズ(プロフ) - 修羅場に泡泡しつつも、いいぞ、もっとやれ！とも思ったりして。櫻井先輩が気付きそうで気付かないのがたまりません！現代に戻るのも楽しみなんですが、バンビな先輩をまだまだ堪能したい！悩ましい！ (2018年2月8日 8時) (レス) id: 655436c39b (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - あゎゎゎ(゜ロ゜;修羅場だぁ(@￣□￣@;)！！ (2018年2月8日 7時) (レス) id: 3ed79bfe04 (このIDを非表示/違反報告)
yuu(プロフ) - はぁぁ。就寝前によしのさんのお話を読めて幸せです。またまた素敵なお話ありがとうございます！テンションあがります！キラキラした櫻井先輩がリアルに頭の中で想像できますし、しかもS！…ツンデレ最高です。 (2018年2月8日 0時) (レス) id: 8c75b9e91c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
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作成日時：2017年12月13日 13時
