髪型(02/20) ページ44
翌朝、登校して、予鈴が鳴る少し前に外を見ていた窓際の子がきゃーっと言った。
そのあと何故か何人かが私をちらっと見た。
「A、相葉先輩がやっと来たんだけど」
晴香がこっち来い！って感じで手招きしてる。
「何？」
「横にいるの櫻井先輩だよね？」
「ん？……うっ！」
びっくりして声が出た。
「どうしたの？先輩どうしたのー！」
「そういや……昨日……サロモ？の仕事行くって言ってた……」
「かっこいい！」
みんながキャーキャー言ってるのに気づいて、先輩がこっちを見上げた。
「……あ」
こっち見た。
私を見て、勝ち誇ったような顔で自分の髪の毛を指でツンツンしてから、私を指差してきた。
「……」
落ち着いた茶髪。
たったそれだけのことがこれだけの破壊力とか恐るべし。
「昨日のバイトで髪型変えたんだ」
そのとき、ふと聞こえてきた、「Aちゃんってさ……」っていうひそひそ声。
あ。
久々に来たこの感じ。
小学生の時もあった。
『ちょっと斗真くんと翔くんと仲良しだからって調子乗ってる。かわいくないのに。ムカつかない？』
そういうやつ。
そんなの、私に言われても困るのに。
例えば付き合ってたとして、あんな女のどこがいいの、みたいに言われても守ってくれるかもしれないからまだいいけど、いとこと、その親友と仲良しってだけなら守ってくれるとも限らないわけで。
小学生のときは、斗真にそのことを言ったら『……へんなの』って
それだけだった。
少しずつ思い出す。
斗真とゆっくり距離があいて、中学に入った途端拒絶されたこと。
あれは、確か。
斗真が中学入ってすぐ、中学生の女の子が小学校の門の前で待ってて、Aってどの子？って聞いてきたことがあった。
あのとき斗真と翔くんがたまたま通り掛かった。
私は、あ、って声をかけようとしたけど、二人は私のことガン無視して通り過ぎていった。
『あ！待って中津くーん』
私に声かけてきた女の子たちは斗真の後を追っかけて、何してんだよお前ら、みたいな話をしていた。
女の子たちが何気なく私の方を見て、斗真も私の方を見たのに、斗真も櫻井先輩も、私が見えなかったかのように無視して歩き出した。
悲しかったんだ。
けど、もしあのとき、あのまま仲良くしてたら私はどうなってたんだろう。
いじめほどあからさまな攻撃はなかったかもしれないけど、無視されたり嫌がらせは多分あったに違いない。
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すりおろし梨。(プロフ) - なぜか 思い立って読み返してます。 ドS櫻井と不器用娘(笑)最高！（≧∇≦） ややこしくて 最高！(笑) (2018年12月9日 11時) (
レス) id: b0f0c1d0a8 (このIDを非表示/違反報告)
コズ(プロフ) - 朝から幸せを噛み締めてます！更新嬉しい！移行更に嬉しい！長めになりそうだなんて…よしのさん朝からヨダレ出そうになりました♪移行先に行こう♪←5点by深山くん (2018年2月20日 6時) (レス) id: 655436c39b (このIDを非表示/違反報告)
コズ(プロフ) - 修羅場に泡泡しつつも、いいぞ、もっとやれ！とも思ったりして。櫻井先輩が気付きそうで気付かないのがたまりません！現代に戻るのも楽しみなんですが、バンビな先輩をまだまだ堪能したい！悩ましい！ (2018年2月8日 8時) (レス) id: 655436c39b (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - あゎゎゎ(゜ロ゜;修羅場だぁ(@￣□￣@;)！！ (2018年2月8日 7時) (レス) id: 3ed79bfe04 (このIDを非表示/違反報告)
yuu(プロフ) - はぁぁ。就寝前によしのさんのお話を読めて幸せです。またまた素敵なお話ありがとうございます！テンションあがります！キラキラした櫻井先輩がリアルに頭の中で想像できますし、しかもS！…ツンデレ最高です。 (2018年2月8日 0時) (レス) id: 8c75b9e91c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
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作成日時：2017年12月13日 13時
