バイト ページ40
「山田先生だってきっと葛藤があったと思う、斗真だってそう」
「うん」
「物事の側面だけ見て判断するのはちょっと性急すぎんじゃね？って俺は思う」
「そうですね」
「お前が俺を見た目とかだけで判断することに対して、お前の人間性の浅さにがっかりしたこともお伝えしておこう」
がっかりされてるのか。
でもまぁ、自業自得だ。
……櫻井先輩は、金色に近い茶髪で服装もどっちかというとチャラいというか、アクセとかジャラジャラつけてる。
けど言葉だけ聞いてたら、その辺の真面目で頭のいいと言われている人よりよっぽど難しい言葉使うし、話が理路整然としてる。
つまり。
私は見た目の派手さに混乱するけど、もしこれが……黒髪の翔くんだとして……表情も昔の育ちのいい感じにしたら……
「ん？」
「……あっ、えっと！明日先輩はバイト？」
「うん。明日はサロモの方頼まれてるからそっち行かなきゃ……」
「サロモ？」
「サロンモデル。カットモデル？ヘアモデル？そういうやつ」
櫻井先輩が前髪を指先で引っ張った。
「バイト掛け持ちして大変ですね」
「まぁね、大学入ったらひとり暮らししたいから貯金してるんだけど」
「……え、ひとり暮らしのための……？」
「うん」
先輩が、んー！と伸びをした。
「髪の色は……、仕事で？」
「うん。仕事で頼まれて金髪にして、そのあと面倒でずっとこのまんま」
「お店専属のモデルさん？」
「違うよ、ウェブとか雑誌に載ってるようなやつとか色々。バイト先の顧客にそういうモデル事務所の人がいて、それが縁で」
「読モみたいな？」
「あ、そうそう、そういうの」
「次も金髪かな……」
私の言葉に先輩がふ、と眉を寄せた。
「確か……明日はなんかちょっと特殊なやつ頼まれてたな……」
「じゃあ明後日くらいに新作の先輩みれるってことですか」
「うん、モヒカンとか……スキンヘッドだったりして……やだな」
「怖いです！」
「お前ほんと怖い怖いってうるせー」
先輩が楽しそうに笑って、私も一緒に笑った。
幸せ。
うちのマンションの前まで着いて、櫻井先輩に頭を下げた。
「今日は色々ありがとうございました！」
「じゃ、またな」
「モデル頑張ってね！」
「頑張るのはヘアサロンの人とカメラマンさん！俺はされるがまま！頑張らない！」
「でも頑張って」
「ん。サンキュ」
先輩がニコッと笑って立ち去った。
ドキドキ。
私今絶対、顔ニヤけてる！
貸出カード→←ジキルとハイド※ジーキル博士とハイド氏に関するネタバレあります※(02/13)
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すりおろし梨。(プロフ) - なぜか 思い立って読み返してます。 ドS櫻井と不器用娘(笑)最高！（≧∇≦） ややこしくて 最高！(笑) (2018年12月9日 11時) (
レス) id: b0f0c1d0a8 (このIDを非表示/違反報告)
コズ(プロフ) - 朝から幸せを噛み締めてます！更新嬉しい！移行更に嬉しい！長めになりそうだなんて…よしのさん朝からヨダレ出そうになりました♪移行先に行こう♪←5点by深山くん (2018年2月20日 6時) (レス) id: 655436c39b (このIDを非表示/違反報告)
コズ(プロフ) - 修羅場に泡泡しつつも、いいぞ、もっとやれ！とも思ったりして。櫻井先輩が気付きそうで気付かないのがたまりません！現代に戻るのも楽しみなんですが、バンビな先輩をまだまだ堪能したい！悩ましい！ (2018年2月8日 8時) (レス) id: 655436c39b (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - あゎゎゎ(゜ロ゜;修羅場だぁ(@￣□￣@;)！！ (2018年2月8日 7時) (レス) id: 3ed79bfe04 (このIDを非表示/違反報告)
yuu(プロフ) - はぁぁ。就寝前によしのさんのお話を読めて幸せです。またまた素敵なお話ありがとうございます！テンションあがります！キラキラした櫻井先輩がリアルに頭の中で想像できますし、しかもS！…ツンデレ最高です。 (2018年2月8日 0時) (レス) id: 8c75b9e91c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2017年12月13日 13時
