優越感 ページ38
こないだ斗真の部屋の前で会ったときかな？
「変わりました？」
「うん」
「どんな風に？」
「おっきくなった」
「そりゃそうでしょうね……」
「前は泣き虫だったし、斗真斗真、翔くん翔くんって言ってついてきて、大好きって顔で、ほんと可愛かったのに」
「……あー……」
「うん……」
「……」
「……あの頃のAどこ行っちゃったんだ」
「……」
つまり私達は。
今はもういない過去の自分たちを懐かしがって残念がってるということに。
「あ、でも俺はロリコンじゃなーからな」
「……」
笑えない。
「……帰ろっか……」
「うん」
センチメンタルになりながら並んで帰って、なぜ私は今櫻井先輩と帰ってるんだ？ってプチパニックに襲われつつ。
隣にいる空気感とか。
先輩の香りとか。
体温とか、そういう。
小学生のときには感じなかった、この人ともっとくっつきたい、みたいな感情が足元から這い上がるような感じがして。
背中がぞわぞわ来るような気がした。
「なぁ、A？」
「はい？」
「やっぱり、なんでもない……」
何なんだ。
何これ何これ。
ドキドキドキドキ。
「先輩、あの……」
「ん？」
うわああ、優しい顔。
好きだ！って唐突にそう思って、頭から水を浴びたみたいな気持ちになった。
まずいぞ。
好きになった瞬間、ぶっ殺すぞとか言われる予感。
「先輩は、彼女、いるんですか……？」
「今はいない」
あ。
今度はあっさり教えてくれた。
「そうなんだ」
「でも」
「でも？」
「……好きな……っていうか、気になる奴がいるから……」
「へぇ、いいなぁ、その人……」
おっと！口が滑った。
櫻井先輩が私をちらっと見た。
慌てて言い訳！
「……モテモテの櫻井先輩に好きって思われるなんて優越感じゃないです？」
「……あ、そういう意味」
「……」
ううう、なにこれ。
たまらずバカみたいに饒舌になる変なテンションの私が出てきた。
「先輩に告白されたら誰でもオッケーしそうじゃないです？言っちゃえ言っちゃえ！」
「そうかな……」
「自慢だもの！かっこいい彼氏！なんてね！」
何言ってんだ私。
しゃがみこみたい。
「……お前は嘘でも斗真に好きって態度取られてるとき、優越感あった？」
櫻井先輩が困惑したように聞いてきた。
「ないない！優越感とかない！チャラいの嫌いだし迷惑だった」
「……ほらな」
「え」
「そんな奴もいるってこと」
櫻井先輩が苦笑いした。
ジキルとハイド※ジーキル博士とハイド氏に関するネタバレあります※(02/13)→←俺の
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すりおろし梨。(プロフ) - なぜか 思い立って読み返してます。 ドS櫻井と不器用娘(笑)最高！（≧∇≦） ややこしくて 最高！(笑) (2018年12月9日 11時) (
レス) id: b0f0c1d0a8 (このIDを非表示/違反報告)
コズ(プロフ) - 朝から幸せを噛み締めてます！更新嬉しい！移行更に嬉しい！長めになりそうだなんて…よしのさん朝からヨダレ出そうになりました♪移行先に行こう♪←5点by深山くん (2018年2月20日 6時) (レス) id: 655436c39b (このIDを非表示/違反報告)
コズ(プロフ) - 修羅場に泡泡しつつも、いいぞ、もっとやれ！とも思ったりして。櫻井先輩が気付きそうで気付かないのがたまりません！現代に戻るのも楽しみなんですが、バンビな先輩をまだまだ堪能したい！悩ましい！ (2018年2月8日 8時) (レス) id: 655436c39b (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - あゎゎゎ(゜ロ゜;修羅場だぁ(@￣□￣@;)！！ (2018年2月8日 7時) (レス) id: 3ed79bfe04 (このIDを非表示/違反報告)
yuu(プロフ) - はぁぁ。就寝前によしのさんのお話を読めて幸せです。またまた素敵なお話ありがとうございます！テンションあがります！キラキラした櫻井先輩がリアルに頭の中で想像できますし、しかもS！…ツンデレ最高です。 (2018年2月8日 0時) (レス) id: 8c75b9e91c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2017年12月13日 13時
