許さない ページ33
「……」
「……ふっざけやがって」
イライラされてる。
好きを匂わせたの大失敗じゃないか。
最悪だ。自分の感情もハッキリわかんないのに好意を匂わせるとは私どうかしてる。
「……ごめんなさい」
「……」
「……」
「……そのごめんなさいは、なんの……ごめんなさい？」
「色々です」
「色々？……え？」
長い沈黙。
櫻井先輩は何か考えてるみたいに眉間にシワ寄せて口尖らせてる。
「つまり……」
「……」
「ふざけてることに対しての謝罪なのか、もしくは……俺のことを……」
しーん。
遠くで楽器の音が聴こえ始めた。
ざわ、という風の音が聴こえる。
パタパタパタ、という足音とか、どこかからボールを蹴るような音。
足音が聞こえて目を上げたら、階段を上がってきた女の人の姿が見えた。
……山田先生だ！
はっ、と短い息が漏れた。
櫻井先輩もそちらに目を向ける。
「……」
「……」
ゴクリ。息を呑む。
櫻井先輩が不機嫌そうに口を開いた。
「山田先生、お疲れ様でーす」
「櫻井くん」
きれいな声。
泣きだしそうな大きな目。
ゆっくり近づいてきて、私は慌てて立ち上がった。先輩は壁にもたれてしゃがんだまま。
「俺昨日櫻書房の前で先生見ました」
先輩がそう言い出してぎょっとした。
「……え」
「あんな変装じゃすぐに生徒にバレますよ、先生。ただでさえ一緒にいたやつ目立つのに」
「……あれは、たまたま、バッタリ……」
先生がオロオロしてる。
大人なのに先生。中身は多分、私達とそんな変わらないんだきっと。
「たまたまバッタリ会った奴とキス寸止めまで近づくのはどうかと思いますけど」
寸止めだったの？
先輩の横顔を見る。
「ダメよ、って言ったのかな？ねぇ、俺の親友弄んで楽しい？」
「……そんな、つもりは……」
「先生結婚してるんですよね」
思わず私も口を開く。先輩が私をちらっと見上げた。
「……もし斗真を……傷つけたら……一生許しませんから……」
「え……」
「Aは奴の幼馴染です」
先輩が注釈を入れてくれた。
「先生が本気かどうかなんて、ハッキリ言ってどうでもいい、斗真が幸せならいい」
「……」
「斗真を不幸にしたら、絶対に許さない」
「……」
「Aー？Aの声聞こえたぞ、どこ？」
ハッと息を呑む。
この声は。斗真！
「斗真、来ないで！」
「はぁ？なんでだよ」
先生が逃げようとした。
「先生逃げる気？」
櫻井先輩が呼び止めた。
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すりおろし梨。(プロフ) - なぜか 思い立って読み返してます。 ドS櫻井と不器用娘(笑)最高！（≧∇≦） ややこしくて 最高！(笑) (2018年12月9日 11時) (
レス) id: b0f0c1d0a8 (このIDを非表示/違反報告)
コズ(プロフ) - 朝から幸せを噛み締めてます！更新嬉しい！移行更に嬉しい！長めになりそうだなんて…よしのさん朝からヨダレ出そうになりました♪移行先に行こう♪←5点by深山くん (2018年2月20日 6時) (レス) id: 655436c39b (このIDを非表示/違反報告)
コズ(プロフ) - 修羅場に泡泡しつつも、いいぞ、もっとやれ！とも思ったりして。櫻井先輩が気付きそうで気付かないのがたまりません！現代に戻るのも楽しみなんですが、バンビな先輩をまだまだ堪能したい！悩ましい！ (2018年2月8日 8時) (レス) id: 655436c39b (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - あゎゎゎ(゜ロ゜;修羅場だぁ(@￣□￣@;)！！ (2018年2月8日 7時) (レス) id: 3ed79bfe04 (このIDを非表示/違反報告)
yuu(プロフ) - はぁぁ。就寝前によしのさんのお話を読めて幸せです。またまた素敵なお話ありがとうございます！テンションあがります！キラキラした櫻井先輩がリアルに頭の中で想像できますし、しかもS！…ツンデレ最高です。 (2018年2月8日 0時) (レス) id: 8c75b9e91c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2017年12月13日 13時
