ミルクティ ページ26
櫻井先輩が立ち止まった私の近くまで戻ってきてくれた。
先輩のチャッカブーツが目の前に来た。
「わかってる」
頭の上から優しい声が降ってきた。
「ありがとうございます……」
「こんなことで軽蔑したり嫌ったりするわけねーじゃん」
「そうですよね！よかった」
ホッとして顔を上げたら、櫻井先輩がへの字口で困ったみたいに眉を下げて私を見下ろした。
「……けど」
「ん？」
「お前はそれでいいのかよ……」
「私なんてどうでも……」
「よくねーよ！」
先輩が怖い顔をした。
「お前を利用して、好きな女を守ろうとするなんて俺それはちょっと許せねー」
「……」
「好きな奴以外の……Aの気持ちはどうでもいいって感じがしてそれはお前に失礼だろ？ありえねー」
「いえ、大丈夫ですから！」
「大丈夫じゃねーよ！」
櫻井先輩が吠えてビクッとした。
「……あ」
「あ、ごめ……」
先輩が困った顔して、周りを見渡した。
こっち、と言って櫻井先輩が歩きだして、後を追う。
コーヒー屋さんに入っていって、席があるのをちらっと確認して、何飲む？って聞いてきた。
いいのか？私一緒にお茶していいのか？
「じゃあ、ロイヤルミルクティ……」
「コーヒー屋で紅茶飲む奴」
クスクス笑われた。
「じゃあ俺はー、アイスカフェラテ、トールで、お前はロイヤルミルクティ、アイス？」
「ホット」
「何か食う？」
「いいです」
「じゃあ俺はー、このロールケーキも」
甘党なのか。可愛い。
「席とっといて」
櫻井先輩がさり気なくそう言って、はーいって感じで外が見えるカウンター席に座ってハッとした。
ここここここ、これデート？
生まれて初めての異性とのデート？
いやいや、これは尾行のあとの慰安会。
暫くしたら先輩がトレイを片手に来た。
近くにいた女子が櫻井先輩をちらっと見て、ねぇねぇ、あの人かっこよくない？って言ってるのが聞こえた。
帽子とマスクを取って、俯く。
あんな残念な女と一緒にいるーって言われたら先輩が気の毒すぎる。
「おまたせ、ホラ」
先輩が私にミルクティを渡して微笑んだ。
………………カッコイイ。
駄目だ、このかっこよさを目の当たりにして惚れるなって方が難しい。
「あ、お金……」
「気にすんな、そんなことよりそれ飲んで元気出せ」
櫻井先輩がロイヤルミルクティよりも甘くて温かい。
「ありがと……翔くん」
嬉しくなって小学校のときみたいに笑いかけたら、じろりと睨まれた。
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すりおろし梨。(プロフ) - なぜか 思い立って読み返してます。 ドS櫻井と不器用娘(笑)最高！（≧∇≦） ややこしくて 最高！(笑) (2018年12月9日 11時) (
レス) id: b0f0c1d0a8 (このIDを非表示/違反報告)
コズ(プロフ) - 朝から幸せを噛み締めてます！更新嬉しい！移行更に嬉しい！長めになりそうだなんて…よしのさん朝からヨダレ出そうになりました♪移行先に行こう♪←5点by深山くん (2018年2月20日 6時) (レス) id: 655436c39b (このIDを非表示/違反報告)
コズ(プロフ) - 修羅場に泡泡しつつも、いいぞ、もっとやれ！とも思ったりして。櫻井先輩が気付きそうで気付かないのがたまりません！現代に戻るのも楽しみなんですが、バンビな先輩をまだまだ堪能したい！悩ましい！ (2018年2月8日 8時) (レス) id: 655436c39b (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - あゎゎゎ(゜ロ゜;修羅場だぁ(@￣□￣@;)！！ (2018年2月8日 7時) (レス) id: 3ed79bfe04 (このIDを非表示/違反報告)
yuu(プロフ) - はぁぁ。就寝前によしのさんのお話を読めて幸せです。またまた素敵なお話ありがとうございます！テンションあがります！キラキラした櫻井先輩がリアルに頭の中で想像できますし、しかもS！…ツンデレ最高です。 (2018年2月8日 0時) (レス) id: 8c75b9e91c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2017年12月13日 13時
