勘違い ページ25
「……」
「……」
長い沈黙。
櫻井先輩の右手が私の目を覆ったまま、左手で私の右肩を掴んだ。
えっとえっと、これって目隠しされてる状態なんだけど後ろから抱っこされてる形状なのでは！！
パニックに襲われつつ、そのまま、櫻井先輩が
「バックシマース」
とか言いながら後ずさりした。
「ここに居たら見つかる……このまま、ハイ回れ右」
肩を掴んでくるん！と回された。
目を開けたら目の前に櫻井先輩の胸元が。
百合の紋章のネックレス。
デコルテの色気がヤヴァイ。
「帰ろっか……」
はぁ、とため息を吐いて櫻井先輩がクルンと背を向けて私の手首を掴んで歩き出した。
首の後ろをさすってる。
中指にごつめの指輪。正方形の爪。
背中の肩甲骨と細いウエスト。
な、なんだろう。
急に櫻井先輩の背中にドキドキしてきた。
抱っこされたからかな！
斗真以外に免疫ないもんね！あはは！
「……なんかごめんな」
先輩がそう呟いた。
「何がですか？」
「嫌なもん、見ちゃったでしょ」
「……まぁ、そうですね……」
確かに自分の身内のキスシーンなんて見たくもないけど。
櫻井先輩が私の頭をポンポン、と叩いた。
「どうせ……高校生の恋愛なんて……麻疹みたいなもんでさ……」
「……」
「多分、今はほら、相手が大人ってだけで勝手に盛ってるだけで、本気じゃないと思う……」
「……」
「だから……」
櫻井先輩が私を見下ろした。
「……あんま、落ち込むなよ」
櫻井先輩、勘違いしてる。
……んだけど、具体的に否定するのは、私達が生まれた時から兄妹のように育ったという関係性を説明しなくちゃならなくて……
言いたい。
けど。
斗真と親友なのに、櫻井先輩がそれを知らないってことは、斗真はよっぽど私と従兄弟って知られたくないってことで……。
「先輩」
「んー？」
櫻井先輩がんー！って伸びをしながら私の方を振り返った。
「斗真を、許してね」
「どういうこと？」
「先輩のことを親友だと思ってるんです、斗真からお友達の話を聞かされるときはいつも櫻井先輩の自慢話から入るの」
「……」
「斗真の自慢なんです、だからこそ……櫻井先輩に嫌われたり、軽蔑されたりするのが嫌で先生とのこと黙ってるんだと思います」
「……ん」
櫻井先輩がハの字に眉を下げた。
大きな目がキラキラっと光った。
「いつか、ちゃんと……先輩に言うと思うから、……斗真のこと、嫌ったり軽蔑したりしないで……」
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すりおろし梨。(プロフ) - なぜか 思い立って読み返してます。 ドS櫻井と不器用娘(笑)最高！（≧∇≦） ややこしくて 最高！(笑) (2018年12月9日 11時) (
レス) id: b0f0c1d0a8 (このIDを非表示/違反報告)
コズ(プロフ) - 朝から幸せを噛み締めてます！更新嬉しい！移行更に嬉しい！長めになりそうだなんて…よしのさん朝からヨダレ出そうになりました♪移行先に行こう♪←5点by深山くん (2018年2月20日 6時) (レス) id: 655436c39b (このIDを非表示/違反報告)
コズ(プロフ) - 修羅場に泡泡しつつも、いいぞ、もっとやれ！とも思ったりして。櫻井先輩が気付きそうで気付かないのがたまりません！現代に戻るのも楽しみなんですが、バンビな先輩をまだまだ堪能したい！悩ましい！ (2018年2月8日 8時) (レス) id: 655436c39b (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - あゎゎゎ(゜ロ゜;修羅場だぁ(@￣□￣@;)！！ (2018年2月8日 7時) (レス) id: 3ed79bfe04 (このIDを非表示/違反報告)
yuu(プロフ) - はぁぁ。就寝前によしのさんのお話を読めて幸せです。またまた素敵なお話ありがとうございます！テンションあがります！キラキラした櫻井先輩がリアルに頭の中で想像できますし、しかもS！…ツンデレ最高です。 (2018年2月8日 0時) (レス) id: 8c75b9e91c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2017年12月13日 13時
