雪女 ページ18
その日の帰り道。
クラブが終わったあと帰ろうとして、ふと見たら校門のところで斗真がいた。
しかも櫻井先輩も一緒にいる。最悪。逃げる。
スタタタ、と走り抜けようとしたら、
「Aー」ってあまーい声で斗真が話しかけてきた。
「何でしょうか……」
しぶしぶ振り返る。
「水臭いなぁ、俺とお前の仲なのに」
「俺とお前の仲って、もしかして血のつなが」
「あ！蚊が！」
慌てて近づいてきてポカリと頭を叩かれた。
くっそう。
叩かれた瞬間、え！って櫻井先輩がびっくりした。絶対好きな子に対する態度じゃない！バレバレだよ！
「帰ろうぜ」
「嫌だ」
「何言ってんだよー」
「嫌だ」
言い合ってたら、後ろから『A！』って声がした。この声は美和ちゃん。
最悪だ。
「美和ちゃん……」
「今帰り？……あ！先輩お疲れ様でーす」
うわわ、わざとらしい！
わざとらしいーーー！
櫻井先輩をちらっと見たら、知らん顔してる。
流石！噂通り。キャーキャーに興味ないってホントかも！
「櫻井先輩、ですよね」
「そうだけど？」
おおお、冷たい！
「今帰りですか」
「見ての通り」
斗真が私を肘でツンツンしてきた。
小声で、友達？って聞いてくる。
「そうなの、櫻井先輩のことが好きみたいなんだけど……」
「へー……」
斗真がじーっと見てる。
「一緒に帰っていいですか？」
「悪いけど他あたってくれる？」
櫻井先輩がバサー！って美和ちゃんを斬っている！ある意味爽快、と思って自分の性格の悪さにちょっと引いた。いけないいけない。
「ちょっとだけ、ね？」
めげない！強い！美和ちゃんすごい！
「はっきり言わなきゃわかんない？断ってんだけど」
おおお、冷たい！
「ちょっと冷たくないですか……」
美和ちゃんが拗ねた。
「この程度で冷たく感じるなら尚更一緒に帰んないほうがいいじゃね？」
ひゅうううう。
ここは南極かしら……さ、寒い！
「ではまた改めます」
「もう改めなくていいから」
あああ、先輩酷いよ。
「斗真俺先帰るわ」
櫻井先輩が歩き出した。
「先輩待って！」
思わず呼び止める。
「は？……お前は俺に話しかけてくんな」
ヒュオオオオオウ！
吹雪。
雪女かな……雪男って感じじゃないな、美人だから雪女だな。
斗真が吹き出した。
「帰ろ、A」
斗真が私の手を引っ張って櫻井先輩のあとをついていく。
「美和ちゃんまたね！」
「……」
絶句してる。そりゃそうだ。
櫻井先輩が氷のように冷たい。
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すりおろし梨。(プロフ) - なぜか 思い立って読み返してます。 ドS櫻井と不器用娘(笑)最高！（≧∇≦） ややこしくて 最高！(笑) (2018年12月9日 11時) (
レス) id: b0f0c1d0a8 (このIDを非表示/違反報告)
コズ(プロフ) - 朝から幸せを噛み締めてます！更新嬉しい！移行更に嬉しい！長めになりそうだなんて…よしのさん朝からヨダレ出そうになりました♪移行先に行こう♪←5点by深山くん (2018年2月20日 6時) (レス) id: 655436c39b (このIDを非表示/違反報告)
コズ(プロフ) - 修羅場に泡泡しつつも、いいぞ、もっとやれ！とも思ったりして。櫻井先輩が気付きそうで気付かないのがたまりません！現代に戻るのも楽しみなんですが、バンビな先輩をまだまだ堪能したい！悩ましい！ (2018年2月8日 8時) (レス) id: 655436c39b (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - あゎゎゎ(゜ロ゜;修羅場だぁ(@￣□￣@;)！！ (2018年2月8日 7時) (レス) id: 3ed79bfe04 (このIDを非表示/違反報告)
yuu(プロフ) - はぁぁ。就寝前によしのさんのお話を読めて幸せです。またまた素敵なお話ありがとうございます！テンションあがります！キラキラした櫻井先輩がリアルに頭の中で想像できますし、しかもS！…ツンデレ最高です。 (2018年2月8日 0時) (レス) id: 8c75b9e91c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2017年12月13日 13時
