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「同期で仲良くしてたじゃん！どこが嫌いだったの？」
二宮くんが不思議そうに私を見下ろした。
「言ってもいい？」
「いいよ」
「まず上目遣いとアヒル口」
「ぶふっ！」
「すっぴんできちゃったーとか言いながらカラコンとマツエク！」
「……」
「話を聞くときにいい女ふうに傾いて、ん、ん、って頷くとこ」
「……」
「その、ん、って言い方が、優しい顔してるつもりなんだけど、気取っててさ」
「……」
「男の前では、サラダ食べます？とか言って取り分けるのに女同士だったらスマホさわってたりするんだよね」
「……」
「で、おいしそうーって言いながら自分と一緒に食べ物と映ってて、それインスタにあげてる、なんなら自分にピントあってる」
「ぶふ」
「あとね、自撮りするときに、首グラグラさせてない？赤ちゃんか？」
「げほ」
二宮くんが笑いながら咳込んだ。
「可愛いね、とか言われて、そんなことないですぅ、って言ってるけど当然って顔してさ、でね、その人が私の方を見て、わあ、お友達も綺麗ですねって言ったらなんて言ったと思う？」
「……なんて？」
「Aちゃん、すごい仕事できるんですよ！頭もよくて男性顔負けのキャリアウーマンなんですよ、って言われた、暗に可愛げないぞこいつ、って言われた」
「それはちょっと深読みしすぎなんじゃ……」
「あーあ！あーあ！女の見る目のない男はこれだから！」
二宮くんが両手で顔を覆った。
「涼ちゃん、あんな子のどこがいいんだ！世界滅びろ！」
「落ち着け！」
「落ち着いていられるか！落ち着けだと？はあ？」
「じゃあ俺も言っていい？涼ちゃんを密かに嫌ってた理由」
二宮くんが、改装の図案のファイルを一発で探し当てて、私に持たせた。
ついでにこれも持っていっとこ、って言いながら同じ年にやったファッションビルの図案も手にした。
「言っていいよ」
「俺さ、あいつの俺が俺が！俺にやらせろ！って態度がもうほんとダメ」
「……」
「自信満々なんだろうけど、それが鼻につくの、俺はお前らと違うから？ってのがすっごい伝わってくる！」
「……」
「仕事できるとか言われてるけどさ、あれ周りに恵まれてるだけだって。フォローしてくれる人がいっぱいいるからできてるのに、俺ってすげえって思ってるでしょ」
「……」
「血見たら貧血起こす癖に！」
「……」
「キャバのお姉ちゃんに俺様の命令して遊んでたくせに！」
「何それ」
「アレ？知らない？」
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2017年3月31日 8時
