34(2017/04/07) ページ34
家の近くのコンビニに寄って晩ごはんにパスタとか明日のパンとビールを買った。重い。
涙でメイクが落ちたブサイクな女が酒と手抜きの晩ごはん手に持ってる姿って残念すぎる。
早足で家に着いたら、私の家のマンションの前にスマホ眺めてしゃがんでる怪しい男が。
すっごく二宮くんに見えるんだけどまさか。
人違いでありますように、と願いつつ、近づいて行ったら男がこっちを見た。
「おかえり」
「えっと……なんでこんなとこに居るのかな……」
「A帰ってくるの待ってた」
「……なぜ！」
「Aがちゃんと自分のお家に帰ってくるか気になったから？」
「……」
「どうなった？より戻した？」
「よく考えたら戻せるわけないよね」
二宮くんが、ん？って首を傾げる。
「顔見たら嫌味しか出てこないのに」
「ふふ」
「もっと涼ちゃんがダメージ食らうような抉る言葉ないかしらって探す自分がいた」
「やっぱり鬼だ」
「でも、……話せてよかったよ」
「……」
「今でもぶっ殺してやりたいし、爆ぜろ禿げろ老けろとか思うけどね、大好きなまま終わらせることできたと思う」
「……どうやって？」
「浮気したこと以外は大好きな涼ちゃんのままだったってことわかったから。女の見る目が終わってるから評価はだだ下がりだけど」
「女の見る目……」
「二宮くんの評価もごめん。今まですごい低かった、やっぱり選ぶ女で男の価値上がったり下がったりするよ」
二宮くんが苦笑した。
「だっていい女はいい男と結婚してるもん」
「そうかなぁ？」
「女がダメだと、たとえいい男だったとしても女のダメさに引っ張られるんだよね。ダメな女は仕事の邪魔とか大切な友達との付き合いの邪魔するからね」
「……」
「特に仕事の邪魔する女だけはダメだよ、今しか見てないってことでしょう、彼の将来のこと考えたら仕事の邪魔なんてできないからね」
「はぁ」
「私は馬鹿ですって言ってるのと同じ。未来の夫の出世の邪魔して、落ちぶれたらどうするの？そういう女は無職になったら捨てるよね！」
「ぐうの音も出ない」
「急に会いたいとかいう女も絶対ダメだよね、そのわがまま女と結婚したら不幸しかない、わがままに振り回される人生の始まり」
「……」
「よかったね、優奈ちゃんと別れて」
二宮くんがくっくっくっ、って肩を揺らして笑ってる。
「お前がかっこいいって言われる理由わかる」
「どうして？」
「歯に衣着せぬ、ってやつだよね、正論」
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2017年3月31日 8時
