40 ページ41
「でも、もう、相葉さんにご迷惑をお掛けすることできません」
「……」
「相葉さん、逆恨みされちゃう」
「……」
「付きまとわれたり、嫌がらせされたり、……お店の中傷とか……もしそんなことあったら」
「……Aちゃん」
「はい」
ピンポーン。
家の前のチャイムが鳴る。
「開けて？」
ああ、相葉さんなのかな。
一応ドアスコープで確認したら、トレーナー上下みたいな楽そうな格好で相葉さんが立ってる。
ガチャリ。
ドアを開けたら、相葉さんがふわあ、って柔らかい笑顔を見せてくれた。
「相葉さ……」
そのまま玄関に入り込んで、私の体をぎゅうっと抱きしめた。
思わず、ひゃ！って変な声が出た。
「怖かったでしょ？大丈夫だよ」
「……」
「大丈夫、大丈夫。俺がついてる」
体の力がふにゃあ、と抜けた。
「相葉さん……」
「大丈夫」
ぽん。……ぽん。……ぽん。
背中を、ゆっくり、一定のリズムを刻んで優しくなでてくれてるうちに。
暖かくて安心で涙がぽろっとこぼれ落ちた。
慌てて指先で拭ったら、相葉さんの指が私の指先と絡む。
「……ありがとうございます、落ち着きました」
「大丈夫？」
「はい、だけど相葉さんが」
「俺はへーき」
「でも……」
「Aちゃんは自分のことだけ心配しなよ」
「でも！」
「じゃあ、許さない、責任とってくれる？」
相葉さんがフフ、っと笑った。
「え」
「俺の彼女になったら許してあげる」
相葉さんの彼女になりたい。
いいの？
いいのかな？
「ナイスアイデアでしょ？」
「えっと、でも……」
「彼氏になったら堂々と守れるし、Aちゃんも気兼ねなく守って、って言えるよ」
「……」
「お互いウィンウィンだと思わない？俺は彼氏になれてAちゃんはSPをゲット」
「……あは」
ちょっと笑ったら相葉さんも微笑んだ。
「もう、大丈夫かな？笑顔とパジャマ姿が見れたことだし、俺部屋に帰るね」
「……え！」
部屋に入ってくれるのかなって一瞬思ったのに帰るって。
「このままだと、ストーカーに怯えて震えてるAちゃん押し倒して酷いことしちゃうかもしれないし」
「……え……」
「俺今すっげ頑張って我慢してるから。じゃあ、おやすみ」
「あは、……はい、おやすみなさい」
「なんかあったらまた飛んでくるからね！」
ドアを出ていく瞬間、相葉さんが、鋭い目をして二宮さんの靴を見て呟いた。
「……引き止めないんだ」
ドアが閉まる。
え？声にならない声が喉から出た。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2375人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2016年11月28日 8時
