いつも君を見てる[A] (ページ28)

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住所から人気順で調べて、上から順にタップしたらすぐに出てきた。

『ailes d'ange』
ここだ。

スタイリストと書いてるところをタップ。
……店長？
相葉さん店長なんだ？
しかもなにこれ。
ご新規のお客様のご指名は別途指名料を頂いております？

もしかして指名が大変なのかも。
読モの子とかの担当さんみたいだった。
じゃあ私がいきなり行っても相葉さんじゃない人ってことなのね。

相葉雅紀さん、っていうんだ。

なんて言えばいいんだろう。
きれーだな、って思ったのが最初の感想。

ちょっとうつむき加減。
柔らかな笑顔。

……かっこいい。
スクショしちゃえ。

ベッドにごろんと横になってぼーっと相葉さんを眺めて、そっか、2軒隣に今いるんだなぁって思ったら。
なんだかくすぐったいような。

相葉さん。
冷静になって考えてみたら、こんなすっごい素敵な人に私、化粧も剥げ落ちて髪もボサボサで酷い格好見られたんだった。
髪も触られた！
え？まって？お家にお邪魔しちゃってコーヒーとか頂いちゃった！
……ラインまでしちゃってる！

まって？
一緒に帰ろうとか約束したよね？
あわわ。
どうしよう！

ミーハー丸出しの自分がひょっこり顔を出してあたふたしたり。

今日は色んなことがあったな。
疲れちゃった。

電気を消して、目を閉じた。
しばらくしたら、メールが届く。

……ん？

『おやすみ』

……知らないメールアドレス。
がばっと起き上がって、慌ててメールの設定をやり直す。
面倒だけど仕方ない！
私のアドレス帳に登録している人しかメールが来ないようにしなきゃ！

全部設定をし終えて、戸締まりももう一度確認して、カーテンを固く閉ざした。

怖い。
もしかして、電気が消えるまで、ずっと見られてた？

まさか双眼鏡とかで見て……？
背筋が寒くなって首を縮める。

ベランダに干してる二宮さんのだるんだるんのトランクスをちょっと思って、じわあって涙がこみ上げた。
泊まってもらえばよかった、なんて馬鹿なことが頭をよぎる。

二宮さん助けて。

その時携帯にラインのポップアップが出てビクッ！とした。

……誰？

相葉さんだ。
堪えていた涙がつう、っと落ちた。

『やっぱり気になるから約束しよ！
明日、9時半頃会社の前まで迎えに行くね』

スマホを握りしめて、声を押し殺す。

『嬉しいです
よろしくお願いします』

涙がポロポロこぼれ落ちた。

そばにいてくれる人がいる。
それだけで守られてる気がした。