いつも君を見てる[A] (ページ18)

今日:9 hit、昨日:12 hit、合計:1,272,870 hit

17 ページ18

「警察、どうして呼ぼうと思ったの？」
相葉さんが優しい声で聞いてくれて、じろじろ見てる櫻井さんをスルーすることにした。

「あの……これ……」
見せる方が早いと思ってメールを見せる。

「ん？『おかえり』って、これ誰？」
「知らない人……」
「知らない人？」

櫻井さんもメールを覗く。
「これついさっきじゃん。帰ってすぐにメール来たってこと？」
「……はい」

「帰ってきたのがわかってメールした奴がいるってこと？」
相葉さんが、え？って頬をゆがませた。

「このアドレスは携帯から。警察に調べてもらえばわかるとは思うけど、殺す、とか死、とか書いてるわけじゃないから簡単に調べてもらえるか……」
櫻井さんが言った。

「……」
「心当たりは？」
「……」
「あるんだ」

はあ、とため息を吐かれた。

「心当たり、あるの？」
相葉さんが私の顔を覗き込む。

「あの……」
「うん」
「全部気のせい、と言われたらそれまでなんですけど……」
「うん、言って」

相葉さんが真剣な顔で聞いてくれてるのをみて、ほろりとした。
ああ、よかった。
頼ってよかった。

「今日、後ろから、後をつけられてるような気がして」
「うん」
「走って逃げたんですけど追いかけてきて……」
「うん」
「マンションに行かないで、前の信号を渡ってうちの斜め前のビルあるでしょ、一階が居酒屋さんの」
「ああ、うん」
「あっちの方に走ったら、その影が反対に走って行ったんです……」
「……」
「で、びくびくしながらマンションに戻ってきたときに、相葉さんが後ろから来て」
「ああ、それでびくっとしたんだ」

相葉さんが、何回もうなづいた。

「はい」
「君、神経質？」
櫻井さんが聞いてきた。

「え？」
「こういうこと今まで何回もあったの？」
「……いいえ？」
「いや、やけに警戒してるなあって思って？いいことだけどさ。おびえ方も尋常じゃない」
「……」

相葉さんが、翔ちゃん、ってたしなめようとしてくれてる。
でも。たしかに。

「実は妹が、ストーカー被害に遭って、……髪を切られて、逃げる時に手をざっくり切っちゃったことがあって……」
「……何てこと」

相葉さんが眉間に皺を寄せた。

「そのせいで、人一倍神経質なのは、認めます……」
「で、その犯人は？今どうしてるの？妹に報復の心配はないの？」

櫻井さんの言葉に、はっとした。

……そうだ、あのあと、妹の元カレは？

背中に嫌な汗が流れる。