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私達の今の壊れかけの関係なんて高杉くんは気づくこともなく、
まるで私達が、お似合いで、ラブラブで、とても幸せそうに見えるようで。
そんなものなのかもしれない。
二人のことは、二人だけにしかわからない。
周りからは上手く行ってるように見えるのが不思議で仕方ない。
松本さんも智さんも、私たちがとても仲良く上手く行ってるように見えてるみたいだし。
バーベキュー場について、ここで降りるのかなと思ったらそのまま通り過ぎた。
「あれ？」
「道具全部持ってるから火気OKの誰もいない穴場でやるんだってさ」
「へぇ……」
車が着いて、外に出たら潮の香りがした。
「先生、海！」
思わずテンションが上がる。
「ふふふ」
先生を見上げたら、太陽の光を浴びて、少し茶色い髪がふわふわと風に揺れた。
柔らかい表情とスーツじゃないだけでただの爽やかなお兄さんに見える！
「せんせ……」
「ん？」
「先生じゃないみたい……」
「お前もなんか違う」
「格好かな？」
「最近元気なかったから楽しそうで何より」
元気がない理由なんて。
たったひとつなのに。
「テントとパラソル用意するよ」
野村くんが言った。
関矢くんの車に荷物を取りに行ったら、関矢くんと飯島さんが二人の世界というか、親密に何かを話し合ってる。
私の姿を見て、慌てて二人がその場を取り繕った。
何だろう。
「荷物持って野菜とか切ってくるね！」
そう言って大荷物を持ってよたよたと歩いてたら石塚くんが助けてくれた。
「ありがと！」
「ビール冷えてるかな」
「センセと飲むんでしょ」
「そう、三種の神器！」
石塚くんが重いクーラーボックスを持って片手に野菜を持ってくれた。
小さいカッティングボードと包丁で野菜をザクザクやって、先生と野村くんが火をおこして、石塚くんと高杉くんがテントを組み立てる。
飯島さんと関矢くんはビールを冷やしたりゴミを集めたり紙皿と割り箸を用意したり雑用をしながら二人でこそこそ話してる。
先生が楽しそう。
アハハ、って大声で笑って時々ヘナヘナになるくらい笑い転げたりしてる。
「肉やくぞー！」
野村くんがお肉ととうもろこしとか野菜を金網の上に並べた。
「先に乾杯しようぜ」
先生がそう言ってみんなで乾杯した。
なんだか楽しい。
みんながうめー、とか言いながらお肉を頬張ってるのを見て、忘れないうちに家から持ってきたおにぎりをよいしょ、と出した。
「よかったらどうぞ！」
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2016年8月4日 6時
