義兄ですが、なにか？3【Ｎ】完結 (ページ19)

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「もし赤ちゃん出来てたらどうするの？どうせいつか結婚しようねーとか夢みたいなこと言ってたんでしょ」

メグちゃんと田村くんが硬直した。
「高校生がなにやってんだよ……」
「……」
「おれねーちゃん二人いるからさ、それはスッゲ気をつけろよ！って言われてきたわけ。上のねーちゃん授かり婚だしね」
「うん」
「二人で今後のことよく話しあえば？」
「そうするよ」

田村くんがフラフラしてるメグちゃんを抱き起こした。

「Aちゃん、ありがとう」
「ごめんね、二宮先輩のことは、また明日ね」

メグちゃんたちがそういって部屋から出て行く。

「俺も帰ろうかな」
「お茶、淹れるよ」
「そう？」
吉沢くんが一緒にリビングに降りてきた。

「ね、先輩の事って何？」
「……」
「Aの好きな奴って二宮先輩だよね？」
「……気づいてた？」
「そりゃあね……」

吉沢くんがソファに座って大きなため息を吐く。

「いつ諦めんの？」
「諦められなくて……」
「でも、避けられてない？二宮さんがAが気付くより先に気づいて逃げてるの、気づいてるんだけど？」
「……」
吉沢くんにも気づかれてるなんて。
結局私たちは、どう見ても不自然ってことだ。

「気づかれてたんだね、私がしつこいから嫌われたのかな」

吉沢くんが、ふう、とため息を吐いた。

「あの人、何考えてるのか全然わかんないような不思議な目で俺を見てくるんだよ？知ってた？」
「……そうなんだ、私目も合わないよ」
「怒ってる感じでも嫉妬って感じでもない……強いて言うなら、いいなあって羨ましそうな顔」

吉沢くんがふふ、と笑う。

「諦められない？」
「無理……」
「諦められない何か理由がある？両親に反対されて、とか」
「……」
「もしかして、引き裂かれた恋ってやつ？ほんとは両想いなのかな、もしかして」
「そうだった、はずなんだけど……」
「自信なくなったんだ？」
「あんなに避けられてる理由がわからなくて……両親がいない場所ならいいじゃない、寂しくないの？って聞きたいのに……」
「そっかぁ……」

吉沢くんがちょっと笑って立ち上がった。
「帰るよ」
「……え、でもコーヒー」
「あのさ、もし今度俺が部屋に入ることがあったとしたら、枕元のおにいちゃんの写真、どこかに仕舞ってね」

ああ、見られてたんだ。
「ごめんなさい」
「好きなんだね」
「……」
「俺、そろそろしんどい……もう、やめてもいい？」

吉沢くんが笑いながら、言った。