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「ああ、そうだった、聞いてます、私がお腹にいたから、手術が出来なかった……」
ごくり。
生唾を飲み込む。
そんなこと、聞いてない。
私が原因で亡くなったなんて、聞いてない。
「ああ、知ってたの。口滑らせちゃってごめんね、悲しい思い出なのに」
「でも、ほら、私何にも覚えてないし！お母さんには申し訳ないけど……」
「出産しなくても、転移はしていただろうからね」
「……そうですね、詳しく知らないけど、でも、私のせいで……」
私のせいで？
お父さんが、小学生の入学式の日、私のランドセルを見ながら、ひとりで夜中泣いてた理由は？
中学生になった私の制服姿を見て、涙をこっそり拭ってた理由は。
高校生になった私の写真を見ながら、ひどく酔っぱらってた、あの理由は。
私がお母さんを殺したからだ。
私はどんどん大きくなるのに、お父さんの最愛の人は、もう帰ってこない。
私が殺した。
足元から、地面が崩れ落ちた気がした。
一人になりたい。
一人になって、考えたい。
お父さん、私を堕ろしてくれ、って頼んだんだ。
手術してくれって頼んだのは、そういう理由だ、きっと。
「あら、電話……もしもし？ああ、衛？」
おばちゃんが、少しお父さんと話して電話を切った。
「ちょっと病院に行ってみるわね」
「ああ、はい、また遊びに来てね」
自分の声が遠くから聞こえるみたいだ。
無理して笑って、手を振って、玄関に、ぺたり、と座り込んだ。
わたしさえいなければ。
おとうさんは。
ねえ、私、お父さんに憎まれてた？
最愛の人を殺したんだよ？
お父さんの無条件の愛の上にのほほんって座ってたけど。
お父さん、私のこと、お前さえいなければって思ってたかもしれない。
涙がぽたぽた、って落ちたら、もう止まらなくなった。
「……うぅ」
ぽろぽろ、涙が零れ落ちるのをそのままにして、自分の部屋のベッドにもぐりこむ。
私、なんてことをしちゃったんだ。
わたしが殺しちゃったんだ！
声を押し殺して泣き続けてたら、しばらくして、和くんが帰ってきたような気配がした。
「え？この匂い、ファミレスのハンバーグと似てるんだけど！」
なんて声が聞こえてきた。
でも全然起き上がれそうもない。
「Aー？」
階段を登る、足音。
「ん？部屋にいんの？A？」
こんこん。
ノックの音がした。
「……はい」
かすれた声がでた。
「A？どうした？」
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なるちゃん(プロフ) - うわーん！ 涙涙、、、 カズくんがお兄ちゃんでよかった！！ (2018年1月29日 10時) (
レス) id: a1fe1fb9b8 (このIDを非表示/違反報告)
こずえ(プロフ) - こんばんは。いつも読ませて頂いてます。年の近い兄ってこんな感じなのかなって想像しながら読んでます笑 冷たくしてしまうお兄ちゃん…素直じゃないですね〜 これからどうなるのか楽しみです！ (2016年5月13日 23時) (レス) id: bf5dbd1af4 (このIDを非表示/違反報告)
るこ(プロフ) - こんにちは♪お兄ちゃんたらっ///本当に素直じゃないんだからと、悶ております♪今度はいつ、甘やかしてくれるのかしらん♪ (2016年5月13日 14時) (レス) id: c20acea42a (このIDを非表示/違反報告)
梨沙(プロフ) - お兄ちゃんのバカ！でも好きで好きで死にそうです。今日はどんなウィンクで殺しに来るのかと♪(´ε｀ ) (2016年5月13日 13時) (レス) id: e385bf4ae4 (このIDを非表示/違反報告)
ebi信号(プロフ) - 我のアホな行動、言動にズドーンと堕ちてた、けど、やっぱり読みたくなってしまう…(T＿T)ｼｭｰﾝ (2016年5月13日 13時) (レス) id: 76d9f58a12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2016年4月22日 14時
