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荷物が少なかったせいで、引っ越しはすぐに終わった。
ちょっとした入浴剤なんかをもって、和くんたちはご近所に挨拶回り。
こちらに厄介になることになった母子です
って、和くんが言った。
「知らない男が出入りしてるからって、通報されちゃったら困るからー」
そう言って、アイドル顔負けのキラキラをまき散らかした。
お隣さんには、
「……こんな可愛いお兄ちゃんより五郎○さんの方がいいなんて」
って同情されたらしい。
さっそくたらし込んだな、和くん。
結論から言って、ご近所の好奇の目と根も葉もない噂話は堂々とすることによって抑えられた。
主に、子どもたちの処世術によって。
だって、気になることがあれば私達に直接聞けばいいんだもの。
ヒソヒソされるのは、まっぴらだ。
私とお父さんがこの家に引っ越してきた時だって、父子家庭ってことだけでいろいろ言われてたけど。
お父さんしかいないからやっぱりね、って言われないように、近くに住んでたお父さんのおばあちゃんは私の髪を梳いて、可愛い服を着せてくれて。
寂しくなんてなかったよ。
お母さんがいる子、少し羨ましかったけど、中2の時まではおばあちゃんも近くに住んでたし。
今は介護が少し必要になって、お父さんのお姉さんのおうちがある、遠くに引っ越したけど、たまに会いに行けるし。
母は、短命一家だったらしい。
おじいちゃんおばあちゃんはもういない。
お母さんの身内はみんな遠くに住んでいて、年賀状だけのつきあいだ。
だからこそ、私が寂しくないようにって、みんなが心を砕いてくれたし。
友達も幸いなことに結構いたから、寂しくなんかなかったよ。
でも、家に帰ったら、家に電気がついていて、おかえりと言ってくれる人がいる。
私とお父さんが話さなくても、話し声が聞こえる。
話し声って、あったかい。
それは幸せな気持ち。
「おかえり」
おばさんの優しい声。
「ただいま」
私がおばさんを、おかあさん、とはまだ呼べないけど。
私達の関係はかなり良好だ。
そんな感じで、
和くんとの同居が始まった。
掃除とか手伝って、一緒にご飯を食べて、
ダイニングの席が、決まった。
「おれここ」
和くんが勝手に決めた理由は左利きだからってことだけど。
私の隣の席は、和くんになった。
私をちらっと見て、少し笑う。
目はキラキラで陶器のような白い肌。
口を開くと嫌味ばかりの、私のお兄ちゃん。
女子より可愛い、お兄ちゃん。
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なるちゃん(プロフ) - うわーん！ 涙涙、、、 カズくんがお兄ちゃんでよかった！！ (2018年1月29日 10時) (
レス) id: a1fe1fb9b8 (このIDを非表示/違反報告)
こずえ(プロフ) - こんばんは。いつも読ませて頂いてます。年の近い兄ってこんな感じなのかなって想像しながら読んでます笑 冷たくしてしまうお兄ちゃん…素直じゃないですね〜 これからどうなるのか楽しみです！ (2016年5月13日 23時) (レス) id: bf5dbd1af4 (このIDを非表示/違反報告)
るこ(プロフ) - こんにちは♪お兄ちゃんたらっ///本当に素直じゃないんだからと、悶ております♪今度はいつ、甘やかしてくれるのかしらん♪ (2016年5月13日 14時) (レス) id: c20acea42a (このIDを非表示/違反報告)
梨沙(プロフ) - お兄ちゃんのバカ！でも好きで好きで死にそうです。今日はどんなウィンクで殺しに来るのかと♪(´ε｀ ) (2016年5月13日 13時) (レス) id: e385bf4ae4 (このIDを非表示/違反報告)
ebi信号(プロフ) - 我のアホな行動、言動にズドーンと堕ちてた、けど、やっぱり読みたくなってしまう…(T＿T)ｼｭｰﾝ (2016年5月13日 13時) (レス) id: 76d9f58a12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2016年4月22日 14時
