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「でも最初の挨拶見た限り今までで一番出来る子たちが揃った代、特に櫻井くんってイメージあるわね」
慌てて取り繕ってみた。
「だからその印象はAさんのおかげなんだってば！第一印象が肝心なんだから！」
櫻井くんがパーにした手をブンブン話してて可愛い。
「可愛い」
「だからその可愛いってのもね……ちょっとこう……頼りないイメージっぽいでしょ」
「え、違うよ！」
櫻井くんがキョトンとした。
「可愛いってのは年下で守ってあげたくなる的な意味ではない？」
「母性本能くすぐられるのはかなりあるけどちょっと違う気が……」
「小動物的な？」
「それもあるけど……愛おしい、という意味でつかってる気がする。ご飯食べてるとことか見てたら、もっと食べさせたいし……」
「うん」
「電話しながら見えない相手にペコペコしたり、コピー機にお前なんて白紙？って聞いてたり、ファックス詰まらせてしっかりしてーって話しかけてたり」
「かっこわる……」
「ずっと見ていたい」
櫻井くんがはは、って声を出さずに笑った。
「背伸びしても届かないのに意地でも踏み台使わないところ。部下を怒ったあと、辞めちゃったらどうしよう、って落ち込んでるとこ」
「……ん？」
「忙しくてパニックになってる人を助けて自分がお昼食べられなかったり残業しちゃってるとこ、かと思えばチョコ食べてとろけた顔して」
「やだ、見られてる……」
「好きだなぁってずっと見てた。でもUSBが決定的だった。秘密の共有の破壊力半端ねー！」
「ああ！」
「おれさぁ、モテるんだよね？」
なにいきなり！
「う、うん」
「いいな、と思った人はさ、大体向こうから好きです、って言って来てくれる人生だった！」
「それは……よかったですね……」
「うん。その気を見せたら大抵、結構簡単に好きって言ってくれる」
「その気、ってマーブルチョコで赤が出たら泣かないでって技とかかしら」
「あれはもう最後の手段だよね？」
櫻井くんが、口をむーってへのじにして、ちょっと軽く蹴ってきた。
「全然効果無かった」
「……」
「次の日の辞令見て、効果がなかった理由がわかったよ。敵は課長かって、ちょっと絶望した。あの人に勝つには俺はあと10年早く生まれなきゃ無理だ」
「……そんなことないよ」
「それに……奥さんがいる人を好きになるなんて……しかもロンドン。ついてくって言いそうだなって。Aさんはバカだって……イラついたりした」
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2016年3月29日 21時
