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わたしゃ高校生か。
すぐ横にベッドあるのになんで床に寝転がって、電気もついたまま、テレビもついたままの状態でこんなこと！
抱きしめた手が、背中を撫でて、腰を撫でて、お尻を通って、太ももを撫でた。
ぞわぞわきた！
スカートがまくれ上がってる！電気ついてるからこっ恥ずかしい！
その手は脇腹を通ってシャツの中に手が入ってきて超焦る。
スキッパーのシャツをボタン外す暇惜しんでたくし上げられるとかこの求められてる感超久々すぎてちょっと怖い。
櫻井くんの手を思わず退けようとした勢いで、ガシャン、とテーブルを膝で蹴っちゃった。いてて。
「あ……」
櫻井くんがハッと我に返る。
「ビール、零れた？」
「大丈夫」
櫻井くんが私を抱えて起こす。
そのままテレビを消す。
その横にあったルームライトのリモコンを見て、ちょっと首を傾げてピッと押してる。
「あー、なるほど」
ブツブツ言いながら色々試してる。
明るさは矢印ボタンで変更するやつ。
常夜灯も調節できるの？5パターンか。
え？お休みタイマー？
いいの使ってんじゃん、Aさん。
とかそっちに興味向かっちゃった。
仕方ない。
照明が気になるのは仕方ない！間取りとか気になるのも気にしない！職業病。
「可愛い」
思わず、言っちゃった。
「だからそれやめて？」
よっぽど嫌なんだ。
「だって可愛いんだもん……」
「いい加減にして」
櫻井くんがちょっと雑に私を持ち上げた。
お姫様抱っこってより下の荷物を上に乗せた的な感じだけど悪くない！むしろいい！
「きゃ」
きゃ、とか言ってるよ私！何がきゃ、だ！
櫻井くんがフフ、と笑った。
「Aさんのが可愛い」
「可愛くないでしょう？何言ってんの！」
「だって可愛いんだもん」
「真似しないでよ！櫻井くんの方が断然か」
「ん」
どわー！
微笑みながらチュ、って！
「……」
「俺が、何？」
「……櫻井くんの方がか」
「ん」
チュ。
おおお。
可愛いって言おうとしたら口封じ！
「だからそういうところが可愛」
チュ。
やっべ。超ニヤニヤしちゃう。
枕で顔を隠してやる。
剥ぎ取られる。
「俺が、なに？」
甘い！甘いよ櫻井くん！
いっぱい言っちゃうぞ櫻井くん！
可愛いを百万回くらい言っちゃうぞ！
「かわ……」
今度は覆いかぶさる濃厚やつキター！
「可愛いなんてもう言わせない」
まずい、それがもう既に死ぬほど可愛い。
「格好いい」
櫻井くんがぶふ、っと吹き出して、私をギューって抱きしめた。
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2016年3月29日 21時
