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勿論今日も、櫻井くんは可愛い。
今日は忙しいってこと前もってわかってたから、櫻井くんはコンビニでおにぎりとか買ってデスクで食べてる。
紅鮭と昆布と、……焼き鮭？
どう違うんだ？
野菜ジュースなんかで野菜を摂ったことにはならないのに一応野菜ジュースを買ってるとことかも可愛い。
パッケージを開けてるとこを見てたら、櫻井くんの口が、んー！ってなってる。
ぺりぺり。
じー。
ものすごくジーっとみてる。
口をアーン、って開けてパクっ！と口に頬張ったのをみて仰天した。
一気に半分行ったよこのこ！
もぐもぐもぐもぐ。
肩がかくん、と下がった。
眉も下がった。
唇が尖ってる！
うまーい。って声が聞こえそうな表情。
また自分の歯型がついたおにぎりをジーッとながめてる。
飲み込んで、また口を大きく開けて、ああ、ふた口で言っちゃった。嘘でしょ。
可愛くて死にそうだ。
勘弁してくれ。
ふたつ目を取り出してらまたピリピリとパッケージを破いて、昆布のおにぎりをじーっと見つめてる。
またふた口でいくのか？
観察していたら、口におにぎりを運んだ瞬間にバチ！っと目があった。
はっ！すっごい見てた！
私すっごい見てた！
もぐもぐしながら私をじーっと見つめ返す櫻井くん。
……これは何。
見つめ合ってるよ私達。
ドキドキドキドキ。
不思議そうに私をじーっと見て、櫻井くんは、ああ！そっか！って顔をした。
頷いてる。なに！
櫻井くんがちょっと困った顔をした。
ふ、と、まゆを寄せて唇を尖らせる。
よし！と意を決したように私をキリリとした顔で見返す。
な、なに！
なんだろう！
すっと手を伸ばして、私に焼き鮭のおにぎりを、見せる。
「……ん？」
「……食べますか？」
おおぉ……
私、物欲しそうに櫻井くんを見てたんだな……
おにぎり欲しそうに見えたんだな……
そっか。
なんだろう、この脱力感は。
「焼き鮭？……いいの、ありがと」
「昆布、だったんですね……すみません」
申し訳なさそうに憂いを帯びた表情で俯く櫻井くん。
かわいい。
かわいくてもうお腹いっぱいです。
「チーフ、お昼は？」
「これあるから」
櫻井くんに貰ったチョコをカラカラって振ったら、ガーン、とした顔をした。
「チョコだけ？」
「うん。あとこれもあるし」
10秒でチャージできる、パウチのゼリーを見せたら、口を尖らせた。
ああ。
……あなたのおかげでお腹いっぱいです。
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2016年3月29日 21時
