9(8/19) ページ10
「仲いいから彼氏かと思った」
「彼氏に清水とか苗字呼び捨てにする？高校生じゃあるまいし！」
思わず普通に突っ込み入れちゃった。
大野さんは気にした様子もなくて、ニコニコしながらビールを飲んだ。
「名前なんての？」
「清水です」
「清水」
何この会話。
「キミは？」
私の方を見て聞いてきた！
「A、名前聞かれてるぞ」
清水がイチイチうるさい。
「A？名前なんての？」
「Aですけど……え？」
「ふうーん」
えへ。
大野さんが、くっくっく、って笑ってる。
「大野さんは？」
「大野です」
酔っぱらいだな。
私達3人なんの話を。
「智くん……」
大野さんが猫背っぽく魚をお箸でつついて、ん？って私を見た。
「智くん」
「ん？」
「って呼んでもいいですか！」
「もう、呼んでんのに」
ふふ、って笑う。
「で、清水とAは何？お友達？」
いきなり呼び捨て。
「ただの同僚です、新婦の同僚」
「ふぅーん」
「新郎さんとお話しなくていいんですか？」
「ちょっと、めんどくさい」
めんどくさい！
うっそ！
お友達と話すのが面倒くさいっ？
と、思ったら、新郎の側に、さっきの女の子たちがいた。
「大野さんとはどういう関係？」とか聞かれてる。
「あー……」
「沖縄料理だし……仲良くしてくれてる人だからちょっと見に来たけど……帰ろかな」
「仲良しなんですか？」
「うん。一緒に鍋食べる仲」
「共通点は……？なんだっけ、旦那さんデザイナーみたいなお仕事してた、ＳＥだっけ?ということはアート系の？」
「ちょっと、知り合い」
ああ、あんまり深く探るのやめよう。
警戒されたかも。
「釣りで」
あ。新郎は仕事でパソコンばっか触ってるから、その反動で自然に触れるために釣りが趣味だって言ってた。
「あ、俺も釣り好き」
清水が食いついてきた。
「え？何釣んの？」
「イカっすね」
「イカかぁー」
「タチウオとかも」
「どこで？」
ああ、清水と盛り上がっちゃった。
ちえー。
でも、まぁいいや。
あの女の子たちと盛り上がるのを見るよりは釣り好きで盛り上がってくれる方が……
「Aも好きだろ、釣りとか」
「……」
清水、良かれと思ってもパスだろうが私釣りなんて行ったことないよ！
「釣り、行ったことないけど魚は好きだから、ピチピチのカンパチの刺し身とか死ぬまでに一度食べてみたい」
「……」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2899人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2015年8月12日 7時
