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方針だけ決めて皆を信頼してる社長みたい。
っていうかとにかくかっこいい、大好き。
「お前……」
清水が呆れたみたいに笑った。
「こんななってるの初めて見た」
ケタケタ笑ってやがる。
「普段は？違う？」
大野さんが清水に聞いてる。
「全然違う！普段は全然可愛くない！同期の野郎とかを顎で使う女ですよ？上司に仕事しろって言う女ですよ？」
「清水？ちょっと？黙ろうか？」
「回し蹴りしたり首絞めてきたりするくせに！好きな人の前では借りてきた猫になるとはビックリ！」
「清水うるさいよ！」
清水を思いっきり睨みつけたら睨んでる顔を大野さんに見られた。
あは。
ふにゃふにゃの笑顔を見せて、くっくっく、って体を少し揺らして笑った。
「やだー……素が出た……」
「出たね」
「可愛い子だなって思われたかったー」
「無茶言うな！可愛いとかキモイこと言うなよ！お前は間違っても可愛くない！」
清水が私に向かって暴言を！
「清水、ちょっと死んでもらっていいかな」
あはは。
大野さんが、楽しそうに笑った。
ああ、素敵。
つられてふにゃふにゃになって微笑み合ってたら、
「何アレ」って、
女のあからさまな嫉妬が飛んできた。
さっきまで大野さんを取り囲んでた女達がものすごく不機嫌にこっちを見てるけどガン無視しよう。うん。
でも、とうとう、思い切ったようにそろそろと近づいてきた。
「大野さん何か飲まれます？」
「いらない」
「もし良かったら、こっちにも料理ありますし、そこ、狭くないですか？」
「いいよ」
「あの、大野さん、さっきのお話の続き……」
ああ、何がなんでも大野さんを取り返そうとする雰囲気だ。
ガタン。
大野さんが椅子を動かした。
あっち行っちゃうの？
やだよ。
思わず、すがりつくみたいに目を上げたら、
そんな私を見下ろして、また少し笑った。
そのまま、くるん、と振り返る。
「何か用？」
「……え、あの」
「ね、君さ、上司に仕事しろって言ったことある？」
え？
戸惑ったように顔を見合わせる女の子達。
「回し蹴り、できる？」
えー、できなぁい。
かわいい女の子たちがキャハって、笑った。
可愛いじゃないの。
「彼氏に死ね、って言う？」
言う訳無いです！とか言ってるけど、いや、ちょっと待って。
「彼氏って！だれがこんな男と」
「だれがこんな女と付きあうか！」
同時に中腰で罵り合って、大野さんが、楽しそうにニコニコ笑った。
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2015年8月12日 7時
