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じゃー早く連絡先交換しろよ。
とかいう清水の勧めがなければ私達は連絡先交換ってとこまで漕ぎ着けることもできなかったというか、
いや、ほんとにつきあっていいの？
というか
付き合う事になったけどほんとにいいの？
というか
次の週、清水が北海道に研修を兼ねての出張に行く前に、忙しくて会えないって言い続けてたサユちゃんを捕まえて、
『結婚しよう』と言ったらしい。
あっちは上手く行ったのに、こっちはメールもろくに帰ってこない。
付き合う事になったのに。
付き合う事に。
さ、智、智くんと付き合う？
うそでしょ？まじで？
我に返ったらパニック！
あの人は、私の彼氏！
うわあああ！って叫んでゴロンゴロンしたいくらいなんだけど、
また我に返る。
連絡も来ないのにあれは夢だった？
夢じゃないよ！っていう証明の清水は北海道なんか行きやがって、うらやましい！
仕事だけど。
次いつ会えますか？ってライン送ったのは月曜日の夜。
『今日、会えたのに。
今度はいつかわかんない』
とかいう返事を寄越したきり、うんともすんとも連絡がない。
そんな風にかなり情緒不安定になってた週末、智くんから、連絡がやっときた。
『あした、待ってるから。
仕事終わったら、おいで』
って住所が書いたラインが送られてきた。
っていうかいきなり明日？
いきなり？
いつもいきなりだけど！
しかも夜だよ？
夜に会って、じゃあ、終電なんで帰りますーってことになるんだろうか。
……ありうる。
っていうか、なにこれ。
私の都合とか完全無視じゃないの、いつも！
ちょっと腹が立って返事しなかったら、夜、電話がかかってきた。
『もしもし』
『あー、こんばんは』
『ふふ、こんばんは。メール見た？』
『見たけど行かないよ』
『用事？』
『用事はないけど、お返事頂けないから清水の前でああ言ったけどほんとは付き合う気ないのかなーとか思ってました！』
『ふふふ』
『明日！いかないよ！』
『……』
『行かないからね！』
『って言って、やっぱり来るんでしょ？』
智くんが面倒くさそうに言った。
嫌われるのは怖い！
『……』
『じゃ、まだ仕事中だし。明日ね』
プッ！
おおお、切られた。
そんなの。
そんなの。
行くに決まってんじゃん……！
やば！こうしちゃいられない！
慌てて明日の用意をする私。
ああ、もう。
手の中で完全に転がされてる。
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2015年8月12日 7時
