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「甘くてコリコリしてとろって舌で溶ける、新鮮なイカを食べてみたい、連れて行ってよ清水、釣り好きなんて初めて知った！」
「いいよ？行く？イカ釣り」
「マジで？」
清水といつ行くの、とか話してたら、
智くんが。
私の方を見て、言った。
「魚好き？」
「大好き！」
「料理、すんの？」
「何でも作る！そりゃ刺身が一番美味しいけど……焼くのも揚げるのも煮るのも、和洋中なんでも！料理も好き」
智くんが、わたしを見て、目をパチパチさせた。
「鯛めしは？」
「食いてえ」
清水が目をくるん、と輝かせた。
「土鍋で作りますよー。おこげとか、美味しいですよねぇ。鯛茶漬けも作りますよ、お出汁のやつで」
「……」
「金目鯛なら、煮付けですよねぇ」
智くんの胃袋を攻撃。
しかしこの攻撃に効果的にボディブローされたのは確実に清水の方だったけど。
「お前んち行かせろ！」
「やだよ！私実家だよ？」
「実家でもいいから」
「私が嫌だわ！」
「じゃあおれんち来い」
「なんのために！」
「食わせろ！」
「嫌だ！まさか私のことも食う気じゃ……！」
「ばっ……誰がお前なんか」
「じゃ、おれもいく」
智くんが普通に言った。
「……おれんちに、大野くんが？」
「だめ？」
「いいけど……俺の彼女、可愛いのしか作れねーから仕方なくAも呼んでやってもいい」
「カノジョ、いるのか」
智くんがビックリしたみたいに、言った。
「いますよ、Aなんかより、よーっぽど可愛いやつが！」
「ふぅーん、じゃあ、ほんとにお友達なんだ、ふたり」
「……」
どう見えてるんだ。
こんな罵り合ってるのに。
そこにももちゃんがやって来た。
「おふたりさん！大野さん独占して恨まれてますよー！視線痛くないの？」
「……なんで？」
「そりゃあの子達大野さんと仲よくなりたいからですよ！」
ももちゃんが全く初めましての態度じゃない態度で智くんに言う。
「……じゃあ、そう言やいいのに」
智くんが、きょと、って感じでももちゃんを見上げた。
「言えば友達になってくれるの？」
「……まぁ……別に……」
「よかったね、A」
ももちゃんがいたずらっぽく笑って言った。
「……智くん、私と友達に」
「大野くん、俺と友達になって！」
清水が邪魔してきた。
「いいよ」
智くんがふわふわ笑った。
「連絡先、教えて！」
清水の野郎。
睨んだら、私の方を見て、勝ち誇ったみたいに笑った。
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2015年8月12日 7時
