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「ぅわ！」
相葉くんが叫び声を上げて、びく！って体が震えて目を覚ました。
「……どうしたの？」
「ちょっと！Aちゃん、俺の心臓さわってよ、ほら！」
心臓さわれないよ！胸でしょ？って眠くて突っ込めない。
「んー？」
ドッキドッキドッキ！
手に振動。
「怖い夢みた？」
「うん。Aちゃんに振られる夢みた」
「……」
「コンビニでさ、彼氏できたんだ！とか言われて、同級生の、ほらほら、もう顔忘れちゃったけど、あの人と」
「私が振るわけ無いよ……」
うつ伏せになってた私をぐるんって向きを変えてぎゅーって抱きしめてきた。苦しい。
「うー」
「怖かったー！」
「そんなに？」
「そんなに！」
ああ、これ、私、もうすぐ死ぬかもね。
幸せすぎて。なんつって。
「かわいそうに……」
「やだよ、もー、変な夢……」
相葉くんが私の腕の中に入ってきた。
「……よしよし……」
さらさらの髪をするするしてたら、胸が、きゅーって苦しくなった。
「あまえんぼさん？」
「んー？」
「あまえんぼさんは寂しがりやさん？何屋さん？相葉さん……」
「ふふ」
恥ずかしそうに首をすくめて、笑ってる。
「ここにいるよー……私からは絶対いなくならないよ、相葉くん」
「……」
「そんなこと聞いてなかった？ごめんね……」
寝ぼけて私は一体何を言ってるんだ。
相葉くんが黙り込んだから、もう一度、とろとろと眠りに落ちる、瞬間に。
「見つけた」って、相葉くんが言った。
なにをみつけたの？
とは、聞けなかった。眠くて。
朝目が覚めたら、コーヒーのいい香り。
はっ！ぐっすり寝てたー！
余裕だな私！あり得ない。
慌てて昨日借りたＴシャツ一枚というセクシーなかっこでキッチンへ！
「はよーございます……」
「あ、おはよ！コーヒーいれたー」
「すみません……」
「いーよー、そこ座んなよ」
椅子に座って、ボサボサ頭の相葉くんを見て、ちょっとおかしくて笑う。
「ん？」
「だいすき」
「……俺も」
ぐふ、って笑う相葉くん。
「ね、雅紀って呼ばないの？まーくんとか」
「……うーん、考えとくー」
「うん、そのうち相葉Aになるかもしれないんだしさ。ちゃんと考えててよね？」
……ん？
どっちを考えるの！
相葉姓になること？名前の呼び方？
胸が、きゅーって苦しくなって息ができない。
泣けるほど好き。
大好き。
涙が、ぽろん、と落ちる。
「わ！泣いちゃダメ！」
相葉くんが私を見て、アハハ！って笑った。
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2015年7月31日 19時
