10、被害者の会 ページ10
「で、『松本くん禁止令』はその場で廃止、誰の忠告にも耳を貸さなくなった彼女たちはヒートアップ。状態は悪化して、お百度参りならぬ、鏡35枚参りが流行りだす」
「……」
「命名『松本くん参り』を100回続けたら意中の人に優しくしてもらえるらしい、とかいう話になってきた」
何故か自然とババ抜きが始まった。
「我々も気軽に消しゴム落ちたよ、って声も掛けられない！その子が100回目達成した子だったら目も当てられない！」
「告白すりゃいいのに」
私の顔を皆が、一斉に見た。
「それだよ！」
「え？」
「俺ら全くモテなくなったんだ！モテすぎて！」
「……」
皆がいっせいにぶふー！って吹き出した。
「はい、Aちゃん、一枚どうぞ！」
相葉くんが私の方にカードを見せる。
一枚引いたら、ひとつペアができた。
次は、松本くん？松本くんにカードを引いてもらう。
松本くんが私のカードを一枚引きながら、私の表情をちらっと見た。
「ちなみに平居先生、どう思った？」
「……若くて、優しそうで、素敵な感じの……」
「だろ？平居先生も被害者。いわば、ここは、鏡被害者の会」
「……」
「相葉さんは、お願い辞めないでくださいって泣かれて、ほだされて辞めらんなかったわけ。この事件で一番の被害者はどう考えてもおれ」
「……はあ」
「松本くん事件として後世に語り継がれることになる。絶対絶世の美少年設定にされる。で、本物見て、たいしたことねーじゃんって言われる」
たいしたことありますよ！
今まで出会った男性の中でもありえないくらい美形ですよ！
って言葉はとりあえず慎む。
二宮くんがカードをじいって見て、むーってやりながら、言う。
「サッカー部とか野球部にも被害者はいるけどさ、部活に女子がいないわけじゃん。マネージャーも男子だし」
「……なるほど」
「テニス部は、今回の件で男女が別れたよね。被害者いないのに」
被害者いないのに！って笑うのを我慢してたら、二宮くんがにんまり笑った。
「そのほかの、混合の弱少部はたいしたことないよ。普通につきあってくださーい。はいはーい。で済むわけなんだし」
「……うん」
「問題は俺らだったわけ。100人からいるその９割が女で、俺らがそこでアイドルだったわけだから」
「……恋人がいたら、彼女が大変な目に遭いそう」
「別れた」
二宮くんが、そういった。
「好き同士なのに別れた」
二宮くんが、私を、上目遣いで見て言った。
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みゅう(プロフ) - 解放ありがとうございます。涙。だいすきです。。 (2019年10月20日 22時) (
レス) id: 94596ebf5a (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - この学校に通いたいです。。こんな青春したい。。よしのさんのお話すごいツボです〜 (2016年1月6日 22時) (レス) id: 8994b070b7 (このIDを非表示/違反報告)
RAITO - こんにちは!!RAITOと申します。読ませていただきました。今までとは少し違うテイストの物語でわくわくします《*≧∀≦》青春の甘酸っぱい香り!! (2015年6月27日 11時) (レス) id: 485e47e579 (このIDを非表示/違反報告)
ちょりん(プロフ) - 高校までの6年やってたユーフォが出て浮かれてたら、最近始めたコンバスが！しかも担当が！勿論話も楽しくて(><)何があるのかドキドキしてます！ (2015年6月10日 1時) (携帯から) (レス) id: 83acbf6b6f (このIDを非表示/違反報告)
ぽにょか(プロフ) - 青春、ＳＦ、長編、どんと来〜い♪ 楽しいです。切なさもありつつ、和の避けたかった未来、それでよかったのか和と、分からないまま 和を叱咤激励、主人公ちゃんを応援しながら日々過ごしてます。 (2015年6月9日 23時) (携帯から) (レス) id: 0bab093355 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2015年5月30日 17時
