９、与党と最大野党(6/2) ページ9
「……」
確かになんだか色々と大変そうだけどモテてるだけでどうしてブラバンに移籍することになったんだろう？
「モテてることで何が困るの、って顔してる」
あ、二宮くんにバレた。
「問題は、ここから」
櫻井くんが、真面目な顔で……
いや、この顔は半分笑ってる。
微妙な顔で言い出した。
「もんだい……」
「そう。派閥争い」
「はばつ……」
「どちらがより強く、松本くんを好きかと争いだした奴らがいた」
「……はぁ」
「『私が』『いや、わたしが！』戦いは泥沼に。壮絶なバトルが」
「口喧嘩ね」
大野さんがぽつりと口を挟む。
「そう、壮絶な口喧嘩が……」
「早い話ね、オケ部の中でＡ子さんとＢ子さんを中心とした戦いが始まったの」
二宮くんがトランプを配りながら話しだす。
「私こそが松本くんを好きだ、いや私の方がってね。お互いの足を引っ張ったり仲間に協力したりしだした。で、恐ろしいことに、グループができた」
「……」
「松本くんは、もちろん大野さん櫻井さん相葉さんファンクラブというか、まぁ五人vs五人の対立だよね。レンジャーモノか！」
皆が、苦虫を噛み潰したような顔をした。
「その5人グループが数個出来たところで最初の派閥のＡとＢが、まぁ巨大な勢力をもったわけ」
「無党派層のとりこみによってね」
櫻井くんがトランプを扇状に広げて呟く。
「ＡとＢは、与党と最大野党になった。その他の政党はまぁ与党と野党に政策によって与する仕組みというか、様子を窺ってる状態」
「……」
なんだか壮大な話すぎてついてけない。
二宮くんがちらっと私を見て、もうちょっとで話し終わるから待ってね、と呟く。
「で、先生方から出た御達しが、『松本くん禁止令』これで一旦は鎮静した」
思わず吹き出す。
じろり。睨まれて、ちょっと謝る。
「ところが、だ」
「まだなにか」
「一番つよく松本くん禁止令を訴えた女性英語教師が、困ったことがあったら相談してね、とか個人的に松本くんを呼び出してしなだれかかり！」
櫻井くんがぐぬぬ、と言った。
「松本くんの耳元にふぅ、と息を吹きかけるところをストーカーしていたＡとＢが発見！」
「うらやましい」
大野くんも、ぽつりと。
相葉くんが、大富豪？って聞いてる。
ババヌキ。りょーかい。
相葉くんがペアのカードをテーブルの上にぽん、と置いた。
そしたら、全員がカードをポンポン置いていく。
「ほら、Aちゃんも」
「あ、うん」
慌てて広げる。
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みゅう(プロフ) - 解放ありがとうございます。涙。だいすきです。。 (2019年10月20日 22時) (
レス) id: 94596ebf5a (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - この学校に通いたいです。。こんな青春したい。。よしのさんのお話すごいツボです〜 (2016年1月6日 22時) (レス) id: 8994b070b7 (このIDを非表示/違反報告)
RAITO - こんにちは!!RAITOと申します。読ませていただきました。今までとは少し違うテイストの物語でわくわくします《*≧∀≦》青春の甘酸っぱい香り!! (2015年6月27日 11時) (レス) id: 485e47e579 (このIDを非表示/違反報告)
ちょりん(プロフ) - 高校までの6年やってたユーフォが出て浮かれてたら、最近始めたコンバスが！しかも担当が！勿論話も楽しくて(><)何があるのかドキドキしてます！ (2015年6月10日 1時) (携帯から) (レス) id: 83acbf6b6f (このIDを非表示/違反報告)
ぽにょか(プロフ) - 青春、ＳＦ、長編、どんと来〜い♪ 楽しいです。切なさもありつつ、和の避けたかった未来、それでよかったのか和と、分からないまま 和を叱咤激励、主人公ちゃんを応援しながら日々過ごしてます。 (2015年6月9日 23時) (携帯から) (レス) id: 0bab093355 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2015年5月30日 17時
