16、部活内恋愛禁止 ページ16
「私がもし誰かを好きになったりしたらクビなんでしょ？部長」
方向が同じなのか、後ろから着いてくる女の子たち。
「うーん……ま、そっか」
「……」
「そうだね、うん。部活内恋愛禁止」
ふわふわの、笑顔。
ニコニコの、笑顔。
2つの笑顔の前で、もう、何も言えなくて。
「誰も好みじゃないよ！転校生としては推薦貰うためにもできたらブラバンを三年間続けたいしこれからも誰も好きにならないよ！」
「そうなの？」
「そうだよ、お互いに恋愛対象外だから入部できたんでしょ！それに私の好みは……」
「二次元でーす！」
相葉くんが、ぎゃははー、って笑う。
「もうそれでいいよ！」
「二次元の彼と結婚するんだよね？」
「そうだよ！」
後ろの人に聞こえるようにそう言ってみた。
相葉くんと大野くんが、あははーって、笑ってまた、歩き出した。
ハァ。
好きな人？
好きなのかな。
わたし、二宮くんが好きなんだろうな。
うん。
認めちゃったら一気に傾いちゃいそうだけど。
初めて会った時から、多分好きなんだ。
あの複雑に色を変える目も、
ちょっと舌っ足らずな甘い声も、
優しいのか意地悪なのかなんなのか、
全然良くわかんない、あの表情も。
どうやって好きにならないで済むというの。
教えてよ。
好きにならずに済む方法！
オケ部の女の子たちがかわいそうだ。
鏡とか、松本くん参りとか、
オカルトなものに縋りつきたくなるほど、
彼の心が欲しいんだろう、仕方ないよそれは。
あの目が、私だけを見てる。
なんて、贅沢なんだろう。
幸せだろうな、きっと。
でも、どうせ二宮くんは、
好き同士なのに別れた彼女がいるんだし。
私なんか二宮くんのお眼鏡に適うとは思えないし、
ずっと待ってたなんて、
からかわれただけ。
期待するようなことじゃない。
ずっと好きだった、とかなら、ともかく。
待ってただけなんだもの。
もしかしたら雑用とかで……
「きゃ！全然気づかなかった」
後ろの女の子の声が、華やいだ。
よくあること。
ほんとによくあること。
振り返ったら、そこには。
二宮くんが私をじーっと、見ていた。
「よかった、Aなんかに好かれても困るもんね。断るのも労力いるのよ、ね？」
二宮くんが女の子たちに、可愛くウインクした。
「きゃー！」
女の子たちの嬌声。
ああ、
聞かれてたんだ……。
二宮くんの猫背がゆっくりと、遠ざかる。
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みゅう(プロフ) - 解放ありがとうございます。涙。だいすきです。。 (2019年10月20日 22時) (
レス) id: 94596ebf5a (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - この学校に通いたいです。。こんな青春したい。。よしのさんのお話すごいツボです〜 (2016年1月6日 22時) (レス) id: 8994b070b7 (このIDを非表示/違反報告)
RAITO - こんにちは!!RAITOと申します。読ませていただきました。今までとは少し違うテイストの物語でわくわくします《*≧∀≦》青春の甘酸っぱい香り!! (2015年6月27日 11時) (レス) id: 485e47e579 (このIDを非表示/違反報告)
ちょりん(プロフ) - 高校までの6年やってたユーフォが出て浮かれてたら、最近始めたコンバスが！しかも担当が！勿論話も楽しくて(><)何があるのかドキドキしてます！ (2015年6月10日 1時) (携帯から) (レス) id: 83acbf6b6f (このIDを非表示/違反報告)
ぽにょか(プロフ) - 青春、ＳＦ、長編、どんと来〜い♪ 楽しいです。切なさもありつつ、和の避けたかった未来、それでよかったのか和と、分からないまま 和を叱咤激励、主人公ちゃんを応援しながら日々過ごしてます。 (2015年6月9日 23時) (携帯から) (レス) id: 0bab093355 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2015年5月30日 17時
