15、うわさ ページ15
Aちゃんがブラバンに入れた理由知ってる？
メンバーとお互いに恋愛対象外だからだって。
しかも三次元の男には興味ないらしいよ。
うわさ話の恐ろしさは、ここだ。
A、ポッキー食う？
うん！
ん。
二宮くんとの、たったそれだけの会話が私の心を踊らせてるのに。
私は、ものすごい勢いで、素敵すぎるブラバンの皆さんには全く興味がない変な女として認知されつつあった。
『Aちゃんは三次元の男に興味ない』
もう、やけくそ。
らんちゃんの告白を聞いて、乙女ゲームにハマることにした。
『沖田総司？……どうしてそれを』
らんちゃんが目を丸くした。
『歴史が好き、とか？』
『……引かない？』
『引くわけないよ！』
『たまたま……友達から誘われてやってみたゲームが……私の人生を変えて』
大袈裟な。
見せられたスマホは。
引くくらいの、いわゆるスチル、画像であふれていた。
美形のアニメの男性を見るらんちゃんの目はもうそれは恋だ。うん。
『でも確か沖田総司って美形ではなかっ』
『史実などどうでもいい！』
『……』
はあ、なるほど。
私は声フェチ、ってことでこの人の声がすきとか言ってたら、画像はくれるし説明してくれるしで、とんどん詳しくなる始末。
相葉くんは、約二週間後、然るべき手続きを経て、ブラバンに移籍した。
第三音楽室に向かう途中で大野くんに会って、なんとなく並んで歩いてたら、後から、相葉くんの声がした。
「ブチョー！部活行こ！」
振り返ったら、相葉くんがニコニコ笑顔で私達を見下ろしてる。
「お。新人の、相葉ちゃん」
「たいへんだったー」
「なにが？」
「後継いないと辞めさせないつってさー」
「へぇ」
大野くんと相葉くんが並んで話してる背中を見て、確かにこれは、惚れずにいられないよね、なんて女の子たちに同情する。
「ところでさー、Aちゃん」
「ん？」
相葉くんがくるん、と振り返った。
「お互いに恋愛対象外だからブラバンには入れたって言ってるでしょ？」
「……うん。まぁ」
「一ヶ月くらい経ったけどさ、ブラバンの中で誰が好き？ほんとに対象外なの？」
好きな人。頭の中にはたった一人の顔が思い浮かんでるけど。
「えっと……」
みんな素敵で困るよね、なんて答えようとしたら、後ろから、
「相葉くんと大野くんに会えた、ラッキー！松本くん参りのご利益かな」
とか、声がした。
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みゅう(プロフ) - 解放ありがとうございます。涙。だいすきです。。 (2019年10月20日 22時) (
レス) id: 94596ebf5a (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - この学校に通いたいです。。こんな青春したい。。よしのさんのお話すごいツボです〜 (2016年1月6日 22時) (レス) id: 8994b070b7 (このIDを非表示/違反報告)
RAITO - こんにちは!!RAITOと申します。読ませていただきました。今までとは少し違うテイストの物語でわくわくします《*≧∀≦》青春の甘酸っぱい香り!! (2015年6月27日 11時) (レス) id: 485e47e579 (このIDを非表示/違反報告)
ちょりん(プロフ) - 高校までの6年やってたユーフォが出て浮かれてたら、最近始めたコンバスが！しかも担当が！勿論話も楽しくて(><)何があるのかドキドキしてます！ (2015年6月10日 1時) (携帯から) (レス) id: 83acbf6b6f (このIDを非表示/違反報告)
ぽにょか(プロフ) - 青春、ＳＦ、長編、どんと来〜い♪ 楽しいです。切なさもありつつ、和の避けたかった未来、それでよかったのか和と、分からないまま 和を叱咤激励、主人公ちゃんを応援しながら日々過ごしてます。 (2015年6月9日 23時) (携帯から) (レス) id: 0bab093355 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2015年5月30日 17時
