14、三次元の男 ページ14
平居先生に、大野くんの方から言ってくれたみたいで、わたしはすんなりブラスバンド部員になった。
「紅一点って可哀想だから誰か一緒に入りたい奴っている？あ、お友達まだ出来てない？」
櫻井くんが聞いてくれた。
「らんちゃん……とかは……」
「らん？知らない」
「……俺知ってる……」
松本くんが、不思議そうに私を見た。
「友達？」
「うん、気が合いそうというかー」
「あいつのもうひとつの顔見た？」
「……もうひとつの顔？」
「あいつの好きなやつ、知ってる？」
松本くんがニヤニヤ笑って、いう。
「知らない……松本くん知ってるの？」
「大体。詳しくは知らないけど」
「どうして？」
「おれ、毎月買う雑誌があるんだけど」
「ん？うん」
「あいつも同じ日に雑誌買ってる」
「……うん」
「そうだな……沖田総司、すき？とか聞いてみろよ」
「……歴女？」
「ある意味」
櫻井くんが、俺とも気が合うかな、と言ったら松本くんが、それは違うって言った。
「どっちかというと、ニノと」
「……ん？」
ニノと？
あれれ？なんかやだな。
二宮くんは、ちょっとやだな。
もやもやする。
時々ふ、と目が合うだけでも心が踊る。
二宮くんがうちのクラスの前を通りかかるだけでも、目で追う私がいた。
最初の3日くらいは時期外れの転校生に興味を持ったクラスメイトも、
自分の生活が忙しく次第に興味を失っていく。
ただ、クラスに5人のオケ部の子がいて、その子たちからは少し、敵対心に近い気持ちを抱かれているようだった。
けどそれも。
むしろ私と仲良くなる方が得策だと気付いたようで。
「Aー？」
「あ、櫻井くん」
「スコアのリスト平居先生に渡してよ」
「うん」
彼が去った後、オケ部の子が近づいてくる。
「それ何？あ、アンサンブル？」
「うん」
「ね、どうしてブラバンに入れたの？何人かあの4人の後を追って入ろうとしたけど門前払いされたのに」
「ああ、どうやら私は……というかお互いに？恋愛対象外だということが判明したらしくて」
「……」
「ホルンやってたし……でもここのすごいオケ部に通用するほど上手くもないから」
皆が、あー、って顔で頷いた。
「追っていく子は下心があるし、下心がない子はオケ部辞めたくないもんね……」
みんなが頷いた。
「もしかしてらんと仲良しってことは、三次元の男に興味ないの？」
「……うん」
……よくわかんないけど、とりあえずそういうことにしておこう。
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みゅう(プロフ) - 解放ありがとうございます。涙。だいすきです。。 (2019年10月20日 22時) (
レス) id: 94596ebf5a (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - この学校に通いたいです。。こんな青春したい。。よしのさんのお話すごいツボです〜 (2016年1月6日 22時) (レス) id: 8994b070b7 (このIDを非表示/違反報告)
RAITO - こんにちは!!RAITOと申します。読ませていただきました。今までとは少し違うテイストの物語でわくわくします《*≧∀≦》青春の甘酸っぱい香り!! (2015年6月27日 11時) (レス) id: 485e47e579 (このIDを非表示/違反報告)
ちょりん(プロフ) - 高校までの6年やってたユーフォが出て浮かれてたら、最近始めたコンバスが！しかも担当が！勿論話も楽しくて(><)何があるのかドキドキしてます！ (2015年6月10日 1時) (携帯から) (レス) id: 83acbf6b6f (このIDを非表示/違反報告)
ぽにょか(プロフ) - 青春、ＳＦ、長編、どんと来〜い♪ 楽しいです。切なさもありつつ、和の避けたかった未来、それでよかったのか和と、分からないまま 和を叱咤激励、主人公ちゃんを応援しながら日々過ごしてます。 (2015年6月9日 23時) (携帯から) (レス) id: 0bab093355 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2015年5月30日 17時
