27、片想い[side Satoshi ページ27
それからも、半年くらいの間に、時々Aちゃんと猫のAちゃんがラブラブしてるとこ、見た。
やきもち。
どっちに？
そりゃ、Aちゃんに。
だって、このおれが、がんばってんだぞ。
なのに、振り向いてくれないなんて。
片想い。
片想い切ない。
Aちゃん、触らせてよ。
猫の方。
「Aちゃんー？」
なにさ？
って顔で耳だけこっち向ける。
「今朝、Aちゃんとちゅーしようとしてたでしょ」
「……」
「……こら」
「……」
「女同士で……三毛猫はメスばっかだって聞いたぞ。なんか、遺伝子がどうとか言って」
「……」
「オスはすっげ高いって……ン千、とかン百万とか言ってた。お客さんが自慢してた」
ふー。
ため息吐かれた。
「みせなさぁい」
「うにゃああぅ！」
じたばた！
「みせろぉ」
「うぎゃぅぅ」
……。
「えっ！おまえ！車買えんのかっ？」
がり。
ヤラレタ。
手の甲に、爪たてられた。
なるほど。
人間不審になるような目にあったんだな。
「Aちゃん、ごめん」
「……」
つーん。
「Aちゃん、ごめんね？」
ちら。つーん。
「いてぇ。ひでーな、Aちゃん」
「……」
「じゃあね、暫くAちゃんに近づくの止める。Aちゃんがオスだったなんて、ショック……」
おれが立ち上がったら、Aちゃんが、ふ、と目を上げる。
「ばいばい」
暫く歩いて振り返ったら、珍しく見送ってる。
傷ついた。
文字通り。
いてて。
Aちゃんがオスだったなんて。
会社について、鞄をぽんと下ろしたら、ニノが目ざとく俺の手を見る。
「手、どうしたの」
「Aちゃんに引っ掛かれた」
「Aちゃん？」
「うん。色白で、こっちが茶色い髪でこっちが黒い髪で、おめめまん丸で、最近やっと触らせてくれるようになった」
「ああ、あの子ね」
「ショックだー……」
「かなり入れ込んでるもんね」
「……んー……」
「ところでなんでAちゃん？」
「……その名前で返事したから」
「…………」
ニノが、ん？って感じで首を傾げる。
「Aちゃんってだあれ？」
相葉ちゃんが後ろからニノにのし掛かって聞いてくる。
「おもっ！向こう行って！」
「なになに？Aちゃん？女の子？可愛い？」
「にゃんこ先生のこと！」
「ああ、ミケ？」
「つんこさんがどうした？」
翔ちゃんも、来た。
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なるちゃん(プロフ) - かぁ〜〜 うまい！！ はたと膝を打つ展開が気持ちよ過ぎる！ 出てくる人がみんな誰かに優しくて泣けてきます。 (2018年2月27日 9時) (
レス) id: a1fe1fb9b8 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - よしのさんの作品は…愛が溢れていて拝見していてホッとしながら心が癒されます(o^O^o)処女作品からここまで…よしのさんの魅力にはまってちょっとでも時間を見つけてはよしのさんワールドに入り浸りの毎日です(笑) (2017年9月10日 9時) (レス) id: b4753fc97a (このIDを非表示/違反報告)
ウサウサ - 三毛猫はオスじゃなくてメスしかいないんですよ (2017年7月20日 22時) (レス) id: 6d9c777ab6 (このIDを非表示/違反報告)
あかね - よしのさんの作品すごく好きです。いろんな解釈があって、何度か読むことによって気づくことも多い。いろんな表情があって、この作品大好きでした。わたしの解釈は、ねこってもしや元彼なんじゃないの？とかなんですけど、それだけで泣きたくなりました。 (2016年11月29日 1時) (レス) id: 4230ec427c (このIDを非表示/違反報告)
彩花(プロフ) - よしのさんほんとにすごい...こんな世界観を書けるのはよしのさんだけだと改めて思いました。またお気に入りの作品が１個増えました。雰囲気のある作品で、ひとつひとつの情景が目に浮かぶようでした。いつもありがとうございます、！ (2016年7月5日 1時) (レス) id: 9fafcdfc5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作成日時：2014年5月19日 23時
