34.泡沫の夢 ページ37
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亜簾はAが組み敷かれているのに、興奮を覚えてしまった。Aは自分の名前を呼んでいるのに、他の男に抱かれて泣かされている。だが、同時に男への憎悪に駆られる。今すぐに、ここに乗り込むべきだ。
なのに、男としての欲が少々勝っている。
「んッぁあ…ァ、亜簾さまっ」
嗚呼、愛らしい。
「中に出しやすよォ…」
「嫌だ！！ぁが、やめっぐ、ぉ…」
身体を縮こませてAの身体を男のそれを受け止められている。びくびくと震える身体と、怯える顔をしたA。
「うぅ、ッ…ぁ…」
やっと動きのなくなった行為、Aの瞳から大粒の涙が顔を濡らす、自分は何をしている。好いた者の苦しむ姿が見たかったのか、こんな所から連れ出そうと考えてここに来たのではなかったか。手が震える。
自分は今どうすればいい？
「助けて」
勝手に身体は動いた。男を突き飛ばして、Aに自分の羽織を掛けた。キツく抱き締めてやると、子供のように泣き出して、俺の胸を濡らす。
「俺汚れた、また汚れた亜簾様っ」
「…ごめん」
だが、そこでふらふらと男が立ち上がり邪魔をしてきた亜簾に殴りかかった。が、亜簾は肘を男の腹に叩き付けた。男は蹲り、苦しんでいる。
「一生世の中に出られねぇようにしてやる」
そのときは本当に殺意しかなかった。すぐに動かなかった自分にも腹立たしいが、それ以上にAに手を掛けた男を嬲り殺しにしたい。充血した目はもはや男には自分以上の獰猛な獣に見える。恐れた男は、千鳥足になりながら、逃げていった。
「A、苦しかったよな。俺、…」
「触って、欲しい…ッ」
「はぁ…え……？」
顔を自分の胸に埋めているAから驚くべき言葉が聞こえて、思わず素っ頓狂な声が出てしまった。嗚呼、なんだかいつもよりAの身体が熱いことに気付く。自分の風邪をうつしてしまったか。呼吸も熱を帯びて、だが風邪と違うことと言えば局部が昂っているぐらいだ。
「薬を、飲まされたんだ…力が入らなくて、感覚が麻痺してる…っ」
ああ、そういう事だったのか。
潤んだ瞳で、Aに乞われてしまってはこちらは柔らかくなってしまう。今すぐ、医者を呼んで解毒なりなんなりしたい所だったが、Aの苦しそうな顔を見ているとそうしてやりたくなる。
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Ria。(プロフ) - 初めて見たのですが、、ッ好きすぎます。尊すぎます。こんな尊い小説があってもよろしいのでしょうか。ええ、もちろんあってよろしいです。この素晴らしい小説に出会えて良かったです！！ (2022年4月29日 18時) (
レス) @page46 id: 6d33a476b4 (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣(プロフ) - 藤雲ルアリナさん» あああ！お喜ばれる小説を書けていたようでとても嬉しいです！やる気でますね……頑張りますね！ (2020年4月8日 15時) (レス) id: fe109e5f3f (このIDを非表示/違反報告)
藤雲ルアリナ - 世界観、空気、文体、ストーリー、もう何もかも好みです！毎回更新楽しみにしてます！ (2020年4月8日 0時) (レス) id: 3165ea2c89 (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣(プロフ) - 氷浦メグさん» ひえぇっありがとうございます泣 これからも暇潰しにでも覗きに来てください… (2020年3月13日 17時) (レス) id: 54569fedb3 (このIDを非表示/違反報告)
氷浦メグ(プロフ) - 初見です。尊いですありがとうございます！ (2020年3月13日 13時) (レス) id: 3357bae399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛之助
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oh19years/
作成日時：2019年2月16日 22時
