1.空虚の華 ページ3
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放課後
男友達が少ない亜簾は、部活へと走っていく生徒とは逆に昇降口で一人肩に鞄を掛け、高校を後にしていた。
部活に入るくらいなら、勉強している方がマシだと思っているから部活動に所属なんてことは頭になかった。だが、すぐに家には帰らずにショッピングモールや隣町まで行ったりして暇を潰していた。
家には帰りたくない。あの
考えていれば、不機嫌になっていた。
「オニーサン、良い目してるね。占ってかないかい?」
突然、横から声を掛けられた。占い師のようだ。老婆の声に聞こえたが見ると随分若かった。だが、見るからに妖しい。高い金をとる気だろう。
「心配せんでも、タダで占うよ。
私はオニーサンを占いたいのさ」
まるで、俺の心を読んだかのようにタダで占う、と言ってきた。どうせ、暇だからいいか。亜簾は占い師と机で挟み、向かい合わせで椅子に座った。
ところがどうだ。机に占い師の手にも水晶の玉やタロットカードだとかは何も持っていなかった。この占い師は本当に占う気があるのだろうか、と思ったが亜簾は黙って目元の見えない占い師を見つめた。
「この世界が嫌い、だろう。オニーサン」
「嫌いっていうよりつまらない」
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Ria。(プロフ) - 初めて見たのですが、、ッ好きすぎます。尊すぎます。こんな尊い小説があってもよろしいのでしょうか。ええ、もちろんあってよろしいです。この素晴らしい小説に出会えて良かったです!! (2022年4月29日 18時) (レス) @page46 id: 6d33a476b4 (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣(プロフ) - 藤雲ルアリナさん» あああ!お喜ばれる小説を書けていたようでとても嬉しいです!やる気でますね……頑張りますね! (2020年4月8日 15時) (レス) id: fe109e5f3f (このIDを非表示/違反報告)
藤雲ルアリナ - 世界観、空気、文体、ストーリー、もう何もかも好みです!毎回更新楽しみにしてます! (2020年4月8日 0時) (レス) id: 3165ea2c89 (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣(プロフ) - 氷浦メグさん» ひえぇっありがとうございます泣 これからも暇潰しにでも覗きに来てください… (2020年3月13日 17時) (レス) id: 54569fedb3 (このIDを非表示/違反報告)
氷浦メグ(プロフ) - 初見です。尊いですありがとうございます! (2020年3月13日 13時) (レス) id: 3357bae399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:愛之助 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oh19years/
作成日時:2019年2月16日 22時