14.雪月花 ページ17
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亜簾はふと、紫の装飾が目立つ簪に目を止めた。Aに似合いそうだ、と思っていた。見てみたくなった。
「これもくれ」
「はいよ！ありがとうございやすっ！」
二つの木箱を店の主人から受け取る。片方は若葉に渡す。
「ありがとうございます！」
「嗚呼」
吉原の大門の前を通り過ぎる時、若葉が立ち止まり、吉原に寄りたいと言い出した。
「吉原に…？」
「はい…、この前に忘れ物をしたみたいで、取りに行きたかったんです」
「…分かった」
1人で行かせてもいいが何かあったら面倒だ。ついて行くしかない。抵抗があるものの、大門を通って行った。
吉原の中は人で溢れかえっていた。その中でも人集りが出来ている。その所為で道も塞がっていた為、二人は足を止めた。
「なんでしょう？」
「傾城太夫。…太夫の道中だ」
客に腕組まれながら歩くAが亜簾の目に飛び込んできたのである。他の客をとるのは当然だが、酷く隣の女に嫌悪感を持つ。悋気つまり嫉妬だ。
なんて情けないのだろうか。
そのとき、1度Aと目が合った。が、何もせず平然と亜簾と若葉の前を通り過ぎて行った。客は自分だけではないのだ。一々かまけている暇もないんだ。
1つ笑みが欲しかった。1度振られたというのに、全く未練が立ち去れていない。
「亜簾様？」
「…なんでもない」
若葉が背を向け、先に行くのを見ると亜簾はちらりと後方を見た。
Aはもう、茶屋に女と入っていった。
「っ…くそ」
奥歯をぎりっと噛み締め、すぐに向き直り若葉の後を追った。
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Ria。(プロフ) - 初めて見たのですが、、ッ好きすぎます。尊すぎます。こんな尊い小説があってもよろしいのでしょうか。ええ、もちろんあってよろしいです。この素晴らしい小説に出会えて良かったです！！ (2022年4月29日 18時) (
レス) @page46 id: 6d33a476b4 (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣(プロフ) - 藤雲ルアリナさん» あああ！お喜ばれる小説を書けていたようでとても嬉しいです！やる気でますね……頑張りますね！ (2020年4月8日 15時) (レス) id: fe109e5f3f (このIDを非表示/違反報告)
藤雲ルアリナ - 世界観、空気、文体、ストーリー、もう何もかも好みです！毎回更新楽しみにしてます！ (2020年4月8日 0時) (レス) id: 3165ea2c89 (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣(プロフ) - 氷浦メグさん» ひえぇっありがとうございます泣 これからも暇潰しにでも覗きに来てください… (2020年3月13日 17時) (レス) id: 54569fedb3 (このIDを非表示/違反報告)
氷浦メグ(プロフ) - 初見です。尊いですありがとうございます！ (2020年3月13日 13時) (レス) id: 3357bae399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛之助
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oh19years/
作成日時：2019年2月16日 22時
