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桜side
騒がしい声が聞こえ、徐々に意識が浮上していく。
音の気配を探るために目を開ければ、開きっぱなしになっているドアの奥、リビングの方から聞き慣れた声が聞こえてくる。
しかし、私の部屋はシィンと静まっていて、私以外の寝息が1つ。
起き上がってみると、私の手を握ったまま寝息を立てる崇裕の姿。
「たか、((？？「桜ちゃんストップ」…！」
声がするほうを振り返れば、そこには、寝室のドア付近に淳太くんの姿。
「あ、淳太くん。」
中間「熱は大丈夫そう？」
「はい。なんとか。」
おでこに空いた手で当ててみても、熱っぽさは無かった。
目眩もないし、頭痛もしない。
治ったのかもしれない。
中間「それなら良かった。神ちゃん特製のシチュー食べれそう？」
その言葉に一瞬迷って、こくんと頷く。
神ちゃんのシチュー美味しいから、食べたい。
中間「よし、なら持ってくるから待っててね。濱田は起こしたらあかんよ。一晩中看病しとって疲れてようやく寝たから。」
「分かった。」
中間「うん、いい子やね。」
私の頭をなでなでしてから、淳太くんは寝室を出た。
すやすやと寝息を立てて眠る崇裕の手を優しく握り返し、頭を撫でる。
「ありがとう、崇裕。」
濱田「んん…こちらこそ…ﾑﾆｬﾑﾆｬ…ｽｰｽｰ」
ふふっ、寝言でも返してくれて嬉しかった。
中間「桜ちゃん、持ってきたで〜。そこの大男、邪魔やな。流星、望、ちょっと運んで。」
藤井「はーい。」
小瀧「桜ちゃん、熱治ってよかった！今ね、みんなでホラー映画見てるの！一緒に見いひん？」
「え？いや、私は…」
治りかけなのに、みんなに移したらあかんし。
と思って、丁寧に断った。
のんちゃんは残念そうに笑って、「また今度ね！寂しくなったら来てね！」と言い残して、流星くんと崇裕をリビングへ担いで運んでいった。
ホラー映画苦手な淳太くんが、部屋に残ってくれて、なんでみんなが居るのか経緯を話してくれた。
「そうやったんや。」
中間「結局、ホラー映画鑑賞会になってしもて…。俺は逃げて来たんやけどな。」
「淳太くん、ホラー嫌いなん？」
中間「大っ嫌いや。別に幽霊を信じる信じないは別としてな？怖いやん。今みんなが見てるヤツ、見なきゃ良かった！系やから俺は見ない。」
「てことは、途中まで見たんや。」
中間「途中までな。」
笑い合いながら食べるシチューは、とても美味しかった。
後日みんなにお礼のお菓子でも買おうと心に決めた。
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作者名：彩楓 | 作成日時：2021年11月30日 23時
