ノンショルダーな同居人２【紫】 (ページ29)

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淳太side

桜ちゃんから紡ぎだされる言葉を、キャンパスノートにひとつひとつメモってから、あーでもないこーでもないと書いては消してを繰り返し(仮)として出来たものを、神ちゃんがバックから取り出した五線譜ノートに書き写していく。

とはいえ、歌の構成は、弾き語りになるからギターになるんやけど。

曲ベースは、シゲが出演してたあのドラマの挿入歌の曲調。

桜ちゃんが大好きなんやって。

【⠀C G|F C Dm7

C Fm|C|Em F|G
Am Em|F C|Am D7|F
C Fm|C|Em F|G
Am Em|F Am|F G|C ……】

とか早急にメモして言ってる姿を俺は、紅茶を飲みながら見つめていた。

神山「まぁだいたいこんな感じやな。」

重岡「俺、弾いてみるわ。」

小瀧「おん。」

シゲがアコースティックギターを片手に弾き始めて、桜ちゃんが未完成の歌詞を眺めて、呟いていく。

桜「君と出会ってさ世界彩り始めた

独り生きてきた私のかけがえのないもの達に

"キミと歩みたい" 君がくれた言葉だよ

泣いて笑って歩いてきた日々が宝物さ」

桜ちゃんの紡がれる言葉に、流星が告げる。

藤井「せっかくシゲが弾いてくれてるから、歌ってみたら？次の歌詞からで良いから。」

桜「わ、分かった！」

深呼吸をした桜ちゃんが、シゲとアイコンタクトを取り、シゲのカウントに沿って、歌い出す。

桜「いつか実なる日はまだまだ遠いけど

いつまでもこれからも君と歩んでいたい

空には虹が架かりシアワセ紡いでいこう

どんな困難だって 2人なら乗り越えられる

君は君らしく輝いて私は君とひとつになる」

それに拍手喝采。

まだまだ歌詞は仮決定やし、修正も必要やけど、これからが挑戦場や。

頑張らなあかんな。

みんなで頑張ったら、よりええ物が作れる。

桜ちゃんが、欠伸をしたところで、照史が手を叩いて立ち上がった。

桐山「ひと段落着いた頃やし、ドーナッツ食べへん？」

桜「食べる！！」

濱田「食べよ食べよ！」

重岡「俺達の分もあるの？」

桐山「勿論！おやつタイムにしよーや！」

全員「「いぇーい！！！」」

この日の作業は、夜まで続きました。

前のようにお泊まりはしなかったけど、みんなでひとつの事に集中して取り組む時間が、とても楽しかった。