ノンショルダーな同居人２【紫】 (ページ28)

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…28 song ページ28

藤井side

ラジオ収録終わりの濱ちゃんと望をマネージャーの車に乗っけて、向かうは桜ちゃんの家。

濱田「なんで俺ん家なん？」

「なんか嫌な予感する。」

濱田「何それ？」

小瀧「シゲが桜ちゃんの事狙ってるってこと？」

中間「え？まさかぁ。」

濱田「え？俺の嫁さんですけど？」

「だからだと思う。この前の飲み会の時、シゲ言ってたし。『俺、酔って歌い出した桜ちゃん好きなんよね～。可愛ええやん？』って。」

小瀧「せやから、今回が狙い時？」

「そういうこと。今、照史くんが桜ちゃん家に差し入れに行ってるから、独り占めできなくて拗ねてると思うよ。」

すると、神ちゃんのスマホが鳴る。

寝てた神ちゃんが起き上がって、スマホの画面を横にスライドさせた。

神山「…もしもし？桜ちゃん？」

桜『神ちゃぁぁ！！』

神山「どうしたん？」

桜『しげと、照史が、、！！』

桜の声を聞きながら、俺達はマンションへと乗り込む。

そして、桜ちゃんのために溜めた間を利用して、部屋の階へとたどり着く。

濱ちゃんの怒りが頂点に達した途端に、ピンポンを押す。

ガチャと開いて桜ちゃんが出てきたのを支えて、濱ちゃんが颯爽と中へ入って行った。

それを見送り、中から悲鳴が聞こえる頃、俺達は桜ちゃんの案内でリビングへと上がっていた。

「元はと言えば、シゲが独り占めしようとしたのが悪いんやろ。」

重岡「だって、作詞するならシゲがいいって濱ちゃんが！！」

中間「まぁええやん。とりまみんな来たんやし、作詞しよ。みんなで知恵だし合えば出来るやろ？」

「そーしよ。」

そして、皆リビングのテキトーなところに座って、クッションを抱えた桜ちゃんを見る。

桜「な、なに。」

神山「えっとー、作詞はどうする？作曲は俺達がやるけど。」

桜「作詞？やってみたいけど、私だけじゃ力不足よ。」

重岡「だから俺の力を…。」

神山「シゲは少し距離とって。」

重岡「今日は、なんで当たりがきついの。。」

小瀧「俺の力、貸すよ。」

「俺も貸すわ。」

中間「俺も。」

桐山「俺もやる！」

濱田「俺も手伝う！」

桜ちゃんの周りで、桜ちゃんが思いついた単語をキャンパスノートに一つ一つ書いていく。

『日常』『幸せ』『苦しかった日々』『出会えた喜び』…。

沢山の言葉が溢れ出してくる桜ちゃんをみて、遠くでアコースティックギターを片手に眺めてたシゲが、ゆっくりと弦を弾き始めた。