ノンショルダーな同居人２【紫】 (ページ18)

今日:4 hit、昨日:6 hit、合計:12,960 hit

…18 Lose sight ページ18

濱田side

新曲の振り入れの稽古が終わったのは、22時過ぎやった。

みんなと別れを告げて、帰る前に桜のラインに報告をする。

濱田崇裕今、お仕事終わりました。これから帰ります。

「よしっと。」

トークを入れた事に満足したが、なんでこの時気づけへんかったんやろう？

いつもならすぐに表示される既読も、今晩の夜ご飯の報告も、すぐ来るはずやのに。

やのにその日は、マネージャーの車を降りる直前まで音沙汰もなかった。

心のモヤモヤは、1度湧き上がったら、二度と冷めない。

なんか嫌な予感がして、俺は下にマネージャーが乗る車を止めたまま飛び出す。

マネ「濱田さん！？」

「ちょっと待ってて！！！」

マネ「分かりました！」

エレベーターに飛び乗って部屋に着いて鍵を開けると、そこは真っ暗闇。

慌てて桜の部屋のドアを開ける。

「桜！！！！」

そこも真っ暗で、リビングのドアを開け、電気をつける。

「桜！！何処や！！！」

ベランダにいるのでは、と窓も開けるが誰もいない。

誰かと遊ぶ約束だったのかと思い、カレンダーを確認するが、空白やった。

ピカピカと光るのは、机に置きっぱになっている桜のスマホ。

そこには、俺らのマネージャーの不在着信と俺からのラインが表示されている。

どこにいるんや！！！

俺はまた部屋を出て、エントランスに居るマネの元へ走った。

すると、マネは「濱田さん！桜さんが見つかりました！」と叫んだ。

マネージャーは、俺が部屋へ行ってる時にメンバーへ電話をかけていたらしい。

すると、探し回ってくれた流星とのんすけが見つけたらしい。

のんすけからマネージャーへ贈られたメッセージ欄に添えられている写真。

身体中アザだらけでびしょ濡れになっている桜の姿が映し出されていた。

そして、その写真に添えられたのんすけの言葉。

小瀧さん○○海岸にて、桜ちゃん保護。身体中アザだらけで、声も掠れ気味。俺と流星の姿を見て安心したのか意識を手放してしまいました。今から大学病院へ行きます。俺もどうしてこんな事態になったかまだ把握出来てないけど、とりあえず病院へ来てください。

その言葉を見て、マネージャーの車へ乗り込み、探しに行ってくれたシゲ、淳太、照史を各場所で拾って、桜が運ばれたという大学病院へ向かった。