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#08 ページ9

シルクside


その日の夜。


皆が帰って、俺と千鶴だけが残った。


千鶴と呼捨てにしたのは友達になった証。


もちろん、俺のことは「絹張さん」から「シルク」に変更。


千鶴は俺の隣にある大きな窓のカーテンを開けた。


「すげー!!」


俺がみたのは満天の星空。


ここは本当に都会なのか?と思うぐらいの綺麗な星たち。


千鶴「ね?言ったでしょ?ここから見る景色は綺麗なんだって。」


「そうだな!ねぇ...千鶴はいつからここで入院生活してるの?」


聞きにくいことを聞いてみた。


千鶴は、俺を見ず、星空を見上げながら答えた。


千鶴「16歳からだよ。高校1年生の頃から。だから学校は中卒。友達もいないし、ずっと1人。死ぬまでずっと1人で生きていくって思ってた。でも人生の最後にシルクたちに会えて良かった!人生で最高の友達ができたから!」


千鶴は瞳に涙を浮かばせながら笑顔で俺の方を振り返った。


千鶴「ありがとう!シルク!」


俺は、その笑顔に惚れた。その言葉にも。


「いいや。俺の方こそ、ありがとう。」


千鶴が言いにくそうな感じでモジモジしながら俺に訪ねてきた。


千鶴「ねぇ、シルクって、もしかして、Fischer's??はじめんとコラボしてた。」


あ……。やっぱり。その事か。(笑)


「うん、Fischer'sのシルクロードだよ。」


俺はまっすぐ千鶴を見つめた。


千鶴は照れながら言った。


千鶴「実はさ、前から好きだったんだ。シルクのこと。それはウオタミさんみんなそうだと思う。だけど、うちはFischer's結成時から知ってるの。私、あの土手の近所に住んでたんだ。だから、中学生の頃のシルクをよく見かけてた。6、7人の男子生徒たちが川で馬鹿騒ぎしてるのを毎日みてたんだ。すっごく羨ましかった。だから..一目惚れがシルクだった。」


俺は驚いた。


千鶴が中学生の頃の俺達を知っていること、俺に恋をしていたこと。


「俺も、千鶴のことが好きだから。お互い人生の最後に付き合ってくれませんか??」


千鶴は笑顔で元気よく頷いた。



神様、俺たちが出会ったのは運命なんですか?



それとも、、、使命ですか??



もう少しだけ時間をください。



できることなら、



俺達の余命を伸ばしてください。



千鶴との思い出をもっと作りたいです。



お願いします....。




そう、お星さまに願った。

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作者名:彩楓 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/myeighterot/  
作成日時:2017年8月21日 10時

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