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シルクside
その日の夜。
皆が帰って、俺と千鶴だけが残った。
千鶴と呼捨てにしたのは友達になった証。
もちろん、俺のことは「絹張さん」から「シルク」に変更。
千鶴は俺の隣にある大きな窓のカーテンを開けた。
「すげー!!」
俺がみたのは満天の星空。
ここは本当に都会なのか?と思うぐらいの綺麗な星たち。
千鶴「ね?言ったでしょ?ここから見る景色は綺麗なんだって。」
「そうだな!ねぇ...千鶴はいつからここで入院生活してるの?」
聞きにくいことを聞いてみた。
千鶴は、俺を見ず、星空を見上げながら答えた。
千鶴「16歳からだよ。高校1年生の頃から。だから学校は中卒。友達もいないし、ずっと1人。死ぬまでずっと1人で生きていくって思ってた。でも人生の最後にシルクたちに会えて良かった!人生で最高の友達ができたから!」
千鶴は瞳に涙を浮かばせながら笑顔で俺の方を振り返った。
千鶴「ありがとう!シルク!」
俺は、その笑顔に惚れた。その言葉にも。
「いいや。俺の方こそ、ありがとう。」
千鶴が言いにくそうな感じでモジモジしながら俺に訪ねてきた。
千鶴「ねぇ、シルクって、もしかして、Fischer's??はじめんとコラボしてた。」
あ……。やっぱり。その事か。(笑)
「うん、Fischer'sのシルクロードだよ。」
俺はまっすぐ千鶴を見つめた。
千鶴は照れながら言った。
千鶴「実はさ、前から好きだったんだ。シルクのこと。それはウオタミさんみんなそうだと思う。だけど、うちはFischer's結成時から知ってるの。私、あの土手の近所に住んでたんだ。だから、中学生の頃のシルクをよく見かけてた。6、7人の男子生徒たちが川で馬鹿騒ぎしてるのを毎日みてたんだ。すっごく羨ましかった。だから..一目惚れがシルクだった。」
俺は驚いた。
千鶴が中学生の頃の俺達を知っていること、俺に恋をしていたこと。
「俺も、千鶴のことが好きだから。お互い人生の最後に付き合ってくれませんか??」
千鶴は笑顔で元気よく頷いた。
神様、俺たちが出会ったのは運命なんですか?
それとも、、、使命ですか??
もう少しだけ時間をください。
できることなら、
俺達の余命を伸ばしてください。
千鶴との思い出をもっと作りたいです。
お願いします....。
そう、お星さまに願った。
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作者名:彩楓 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/myeighterot/
作成日時:2017年8月21日 10時