薄曇たなびく麓で (ページ12)

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モトキside

俺達は、マサイの家に集まった。

これにはザカオやダーマも混ざっていた。

家に着いて、お茶をのみながら、さっきまでの出来事をダホが全部話した。

長い沈黙のなか、誰かのLINEがピロリン♪となった。

マサイ「おーい、モトキー、お前のLINE！」

ダーマ「おーい、モトキー、戻ってこーい！」

「……ん？！オレ？！」

全員「「お前だ」」

「あっ、ごめん！えっと...」

俺は立ち上がってリビングを出て玄関前の廊下で携帯を開きLINEを開く。

【モトキくん、こんにちは。千鶴です。今日、シルクをお見舞いに来られたようですが、シルクが高熱を出してしまい、声が出なくなってしまいました。ですが、高熱を出している間だけ声が出ないので高熱さえ治れば、いつも通りの声に戻ります。ご心配をおかけして申し訳ございません。現在、シルクは疲れて寝ております。Fischer'sの方々にも宜しくお伝えください。】

俺は読みながら、ガチャとリビングに戻る。

みんなの視線が俺に向けられる。

「はぁ....？そういうことだったの。」

ンダホ「どうしたの？シルクに関係する？」

「うん。千鶴ちゃんからLINE。」

俺はマサイに携帯を貸した。

みんなして、千鶴ちゃんからのLINEをマジマジと読む。

マサイ「ほぉ....」

ンダホ「疲れたってことは..」

ぺけ「泣きつかれ？」

「そこまでは書いてないけど、俺らに弱い部分を見られたって泣いた可能性もあるよね。」

ザカオ「シルクは俺たちに強い部分だけ見せようとしてる。」

ダーマ「あいつにとっての俺らって何なんだろうなぁ？」

全員「「え？」」

俺らはキョトンとした顔でダーマを見る。

ダーマ「本当の友達なら、弱い部分も見せてもいいんじゃないか？それを受け止めるのが俺らの役目なんだからさ。それなのに、あいつは弱い所を絶対に見せない。まぁ、シルクが強がりなのはよく知ってるよ。でもさ、もう7年も付き合ってんだぜ？そろそろさぁ....見せてくれても...なぁ？」

あぁ....確かに....。

みんなは、また無言になる。

話をそらそうと俺は思考を巡らせ呟く。

「なぁ、これから動画、どうする？」

ンダホ「Twitterでも、シルクのこと書かれてるよね。」

ザカオ「うん....。」

マサイ「とりあえず、シルクの高熱が治ったら聞いてみるよ。」

全員「「うん....」」

マサイ「じゃあ、これで今日は解散。」

マサイの言葉で皆は帰っていった。