ありがとうとさようなら (ページ27)

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#25 ページ27

マサイside

薫ちゃんがシルクを守って亡くなったあの日。

俺は自宅へ、モトキとペケと一緒に帰ってきた。

ガチャ....

３人「「ただいま....」」

２人に先に上がっててもらい、俺はポストを漁った。

カサッ

と音をたてながら入っていたのは、１通の真っ白な封筒。

宛先は【Fischer'sへ】

裏には【藤堂薫】

と書かれていた。

え？！

薫ちゃんから手紙？！？！

これは今読んだ方が....ううん。

薫ちゃんが天国に行ってからにしよう。

真っ白な封筒に小さな付箋に

【マサイくんへ、この手紙は、私が天国に行ってから読んでね。絶対だよ？それまではマサイくんが持ってて。任せたよ、副リーダー。】

と書かれていたからだ。

そのときが来るまで俺は、そっと棚に閉まっておいた。

ついにそのときがきた。

俺は、火葬後、みんなを引き連れて俺の部屋へ招き入れた。

全員「「........」」

暗い顔で俯いて無言の皆の沈黙を破ったのは俺だった。

「なぁ、みんな。俺、薫ちゃんから手紙預かってるんだ。」

シルク「えっ....。」

ンダホ「い、いつのこと？？」

「シルクを庇って亡くなったあの日。帰ってきたら俺ん家のポストに入ってた。」

ペケ「そう、、なんだ。」

「じゃあ、１人ずつ便箋、渡していくね。最初は...俺。ザカオ。ダーマ。モトキ。ペケたん。ンダホ....」

モトキ「どうした？マサイ？」

「あ、あのさ、シルク宛の便箋だけ俺らより量が多いんだけど....。」

シルク「えっ....？！」

「いち、にー、さん、しー....多くて６枚。」

ンダホ「シルク、読むの大変そう。」

ペケ「後半辺りから涙止まらなくなって読めないんじゃねぇの？(笑)」

シルク「うるせぇ！！！」

俺らは便箋を後で読むとして、窓を開けた。

大雨がいつのまにか晴れていて、空には月が輝いていた。

シルク「守ってくれてありがとう、薫」

皆は、夜空を笑顔で見上げた。