売られた花嫁/htrn ページ20
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結婚が決まった。相手は官僚の職に就いているらしい。
本家も分家も皆喜んだ。当然だ。何せ庶民の家だったというのに、たちまち官僚の身内として鼻を高く出来る。
しかし、私は全く嬉しくなかった。結婚相手だという男はあまり良い噂を聞かない。異常な性癖を持っているだとか、汚職に手を染めているだとか。
それを幼なじみに言ったのだ。確か、彼は軍に所属していた。海軍の大臣だと言っていたか。
幼なじみは任せておけと頼もしい言葉をくれた。
ところが待てど暮らせど、幼なじみから救いの手は差しのべられなかった。
そしてそのまま、私と男の式の日となった。
絶望を胸に白無垢を着て、襖が開くのを待つ。挙式の前の顔合わせだ。
写真という、おそらく庶民のままでは一生目にすることのないものを介して、お互いの顔は知っていた。
襖が開く。無礼のないよう頭を下げ口上を挙げる。
「お初に御目にかかります。あなた様の妻としてお世話になります……」
名乗りを挙げようと、頭を上げた先には、私の結婚相手は居なかった。
居たのは白い軍服を着た男。
「君がAちゃん？」
「……ど、どちら様でしょうか」
「時間が無いから、速く答えて」
「……私がAです」
一体誰なのだろうか。白い軍服、海軍。もしかして、彼は幼なじみに派遣された人間だろうか。
「あの……」
「君はね、売られたんだよ」
「売られ……はい？」
遮るように言われたが、そんなことは気にする暇もないような言葉を渡される。
「だから、あの狸爺の嫁になる予定だったんだけど、売られたよ」
「どういうことでしょうか……」
「あの狸爺、国の金を使って豪遊に浸っていたらしくて、それを海軍大臣が告発したの」
「海軍大臣……」
海軍大臣、紛れもない幼なじみのことだった。
「それであの狸は花嫁をやるから、この事は黙っておいてくれって」
「……」
売られた、というのは金銭的なやり取りではなく、一種の比喩表現だったようだ。
政府の闇が垣間見えた気がしたが、今の私にとってはそれは些細なことである。
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スイ(プロフ) - 脳内お花畑さん» スイさんは神ですよ←お花畑さんですね！りょーかいしました！ (2019年7月6日 3時) (
レス) id: fc5840509f (このIDを非表示/違反報告)
脳内お花畑(プロフ) - スイさん» スイさん！！いつもいつもありがとうございます！もしかしてスイさんは神ですか？それとお花畑で良いですよ！ (2019年7月6日 2時) (レス) id: 999cc5b25a (このIDを非表示/違反報告)
スイ(プロフ) - 脳内お花畑さんの作品他の見よーおもたらすでにお気に入り作品にしてて草← (2019年7月6日 2時) (レス) id: fc5840509f (このIDを非表示/違反報告)
かよ(プロフ) - かこつです！リクエスト答えていただきありがとうございます (2019年7月2日 15時) (レス) id: 33b10db5e5 (このIDを非表示/違反報告)
脳内お花畑(プロフ) - ベリーさん» なるほど！察しが悪くてすみません…！私も昔見てましたよ、かわいいですよね〜。多分主はNo.6ちゃんのようなことはしないと思いますけど…。萌え禿げたのならエミさんのお話を見ましょう！そうしましょう！ (2019年6月30日 0時) (レス) id: 999cc5b25a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：脳内お花畑
| 作成日時：2019年5月31日 19時
