4話 ページ5
そこには９名の生徒の名前と役職が記載されている
そしてまず、加賀美ナナミの名前を見つけた。
「あ、ある…！！」
顔が一気に綻ぶのが自分でもわかった。
全身が身震いし、高揚しているのを感じる。
とりあえず一安心したので、二人が驚いている個所を確認するためにもう一度よく見たところ、見知った名前がちらほらあることに気づいた。
「え、鏑木も海妹もいるじゃん！？」
なんと、二人とも一緒に選出されていた。
なんならあと二人くらい知っている人いるわ私。
「何故…？」
「うみせもわからん」
二人とも喜ぶというよりかは本当に疑問を持っている様子だった。
…私と一緒じゃ喜べないっていうんか！？
「なんでよ！！喜べよ！！私二人と一緒に生徒会できるなんて夢にも思ってなかったし、今も私が生み出した都合のいい夢なんじゃないか！？って思ってるくらいなんだけど！？」
「いやちがくて、、、ナナミくらい努力できてたわけでもないし、私でいいんか？ってかんじかも」
「うみせも、大していい成績ってわけじゃなかったよー？なんか、ナナミの努力を見てたから余計肩並べていいのかなって思っちゃった」
二人はちょっと肩をすぼめながらそう言ったが、そんなことはない。
彼女らは私だけが努力しているように言っているけど、二人だって努力している。
鏑木は美術系のセンスがピカイチで、うちのアカデミーにも美術系の推薦で入学してきた。
好きなものに対する情熱は誰よりも熱く、その打ち込んでいる姿勢を評価されたんだと思う。
海妹はスポーツが大の得意。
いい成績は取っていないって言っていたけれど、スポーツ系は何でもできるし、最初の頃なんて部活動ごとで海妹の取り合いがあったくらいだ。
そして何より、全力で楽しみ、周りに目を配ることができる。これほど生徒の模範となるような生徒はいないと個人的に思う。
だから選ばれたんじゃない？なんていうと、二人は涙目で「ナナミ〜〜！！」なんて言いながら勢いよく抱き着いてきた。
「デェ！？どした！？」
「そんな風に思ってくれてたのかよお前…！！泣」
「いや事実…」
「あたしナナミ好きだわ」
「そりゃよかった。私も好き」
「うみせから愛をこめて…ほっぺに…kiss…ﾁｭｯ」(投げキス)
「勘弁してくれ」
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作者名：のこさん | 作成日時：2024年1月5日 0時
