最後の恋 (ページ31)

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好きな子と、それもその日に告ろうと思ってたら店選びだっていつも以上に慎重になる

これでフラれたら、その店には二度と行かねえだろうな、俺

「うーん」

そんな気持ちがバレないように当たり障りのない返事をしておく

大野「……大丈夫だよ、翔くんなら」

相葉「なに？何の話してんの？リーダー」

「……」

基本的に俺の間で恋愛の話なんてしない、ましてや相談なんか絶対にしない

でも、智くんには俺の事が分かってるみたいだ

相葉ちゃんに揺さぶられながら「ねえ！何の話？」と聞かれても、当の本人は寝たフリを決め込んで目すら開けない

智くんの言葉に背中を押されて、ようやく明日行く店を決めた

この後に予定がある時ほど収録が押すのはこの業界ではあるあるだ

だけど何も今日じゃなくてもいいのに

セットチェンジの間もチラチラと時計を確認する

あぁ、もう絶対に間に合わねえよ

スタッフ「はい、ありがとうございました！今日の収録はこれで全て終わりになります！」

「「ありがとうございます」」

観覧のお客さんに挨拶をして楽屋へと戻る

「すぐ出れる？」

楽屋前で待っていたマネージャーに声を掛けると、「これで今日は終わりなので」と返事が返ってきた

「友達とメシ行くから帰りはタクシーで帰るわ」

マネ「分かりました」

急いで衣装から私服に着替える

松本「翔さん、急いでんの？」

「メシ行く約束してんだけど、既に30分遅刻！」

二宮「だから急いでんのか」

「よしっ、

明日11時入りだよね？」

マネ「はい、お疲れ様でした」

「お疲れ様」

エレベーターに向かう途中の廊下でAちゃんに電話を掛ける

「Aちゃん？

ごめんね、遅くなって」

店に着くと俺の方が早かったようで安心した

Aちゃんが来る前にあらかじめ料理をオーダーしておく

着いてから20分ぐらいすると個室の扉が開いてAちゃんの姿が見える

『すいません、お待たせしましたっ』

「いやいや、俺が待たせたんだから！

ごめんね、こんな時間になっちゃって、お腹空いたでしょ？」

『お昼を遅めに摂ったので丁度いいぐらいにお腹が空いてきてます』

「本当？マジで待たせてごめん」

メシ食いながら互いの近況を話していた時、不意に彼女が俺のことを『翔ちゃん』と呼んだ