最後の恋 (ページ27)

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テレビでは可愛くて美人な共演者の人が「翔くんは～」なんて話していて、あの人たちと張り合って、櫻井さんの隣には並べないと自信を失くす事も増えた

辛い想いをするのが嫌なら、送ってくれるメールに返事をせず会うのを止めれば良いだけなのに

≪大丈夫ですよ、わたしは休みなのでお仕事が終わった時間に連絡もらえますか？≫

〈毎回急に誘ってばかりでごめんね、ありがとう

明日仕事が終わったら連絡するよ〉

今回も行くって返事をしてしまった、

結局、これがわたしの本心

きっと自分が遊ばれていると思っている内は大丈夫

18時になっても櫻井さんからの証拠はなくって、やっぱり何時に終わるか分からない仕事は大変だなと思っていると、いつもは圧倒的にメールが多いのに電話の着信で

『はい』

「Aちゃん？

ごめんね、遅くなって、今だいじょうぶ？」

『大丈夫です、櫻井さんこそ、大丈夫ですか？』

慌てているのか、走っているのか、電話の向こうではハァハァといつもより息が荒い

「大丈夫、今終わったとこで、これから出てこれる？」

『はい、どこに行けばいいですか？』

いつものようにお店の場所をメールに添付してもらって、行ってみるとわたしの方が先に着くと思っていたのに、席にはもう櫻井さんが座っていた

『すいません、お待たせしましたっ』

「いやいや、俺が待たせたんだから！

ごめんね、こんな時間になっちゃって、お腹空いたでしょ？」

『お昼を遅めに摂ったので丁度いいぐらいにお腹が空いてきてます』

「本当？マジで待たせてごめん」

予め注文してくれていた料理が運ばれてきた

「最近、忙しかったの？」

『まぁ、そうですね、どちらかと言うと忙しかった方だと思います』

「そうだよね、だってメールの返事来るのが夕方過ぎてとか、夜に来る事が多かったもんね」

そう言われると朝仕事に出掛けて、長いオペについてたりすると昼休みにしかスマホを確認しない。そして、疲れ切ってると休憩時間に食べて短い仮眠までするから、メールの返事まで気が回らない日が多かった

『すみません、返すのがいつも遅くて』

「なんで謝んの？」

『忙しいって言っても、櫻井さんとは比べものにならないから。わたしの方が時間あるのに』

「そんな事ないでしょ。藤野とも連絡取ったりするけど、心外の緊急が来たりすると疲れて吐きそうって言うぐらいだから」

『う～ん、』